中国湖北省:行政幹部の不正と疑惑の死亡事件、大規模抗議に発展

2009/06/23
更新: 2009/06/23

【大紀元日本6月23日】中国湖北石首市で、6月19日から数万人の市民が街頭で抗議活動を展開した。2日間警察と対峙した後、当局は大量の武装警察を動員して抗議する市民を鎮圧。死者が出たかどうかは不明。現地情報によると、ことの発端は、現地政府の幹部麻薬取引を知ったホテル料理人の謎の死である。

6月17日夜、市内のホテル「永隆大酒店」で、同ホテルに勤める23歳の料理人、塗遠高さんが3階から落ちて死亡した。墜落現場には血痕がなく、一方、その耳、口、鼻からは出血の跡があり、生殖器はひどく傷つけられ、頭部には釘が打ち込まれていた。この謎の死に対して、当局の検死結果は自殺と判定した。一方、内情を知る人によると、死者は生前ひどい虐待を受けて亡くなった後、ホテルから投げ落とされたという。

同ホテルの共同経営者に、同市の副市長と公安局の副局長が含まれている。経営難に陥っている同ホテルは今、麻薬取引の巣になっている。そのことを知ってしまった塗さんは労働報酬のことで経営者らといささかを起こした際、密告すると脅したため殺されたという。同ホテルで不審な死に方をしたのはこれで5人目だという。

遺族は遺体の火葬を固く拒否し、真相の究明を要求した。その翌日の6月18日、現地当局は次のように説明した。自殺との調査結果を受け入れるのであれば、3万5千元(約50万円)の賠償金を受領できる。もし、自殺を認めないのであれば、強制的に火葬させる。それを受け、塗さんの父親は遺体が置かれているホテルの一階にプロパンガスの缶を運び込み、遺体を奪うならば、爆発させて強奪者と一緒に死ぬとした。

警察の対応を知った市民らは、その父親を支援するために次々とホテルの門前に集まり、当局に死亡原因の解明を求め始めた。現場目撃者によると、19日から20日の二日間、ピーク時には約7万人が集まったという。

情報によると、19、20日間、現場には大量の警察が配置され、市民と激しく衝突した。警察は消防車やパトカーなどを出動、市民に催涙ガス弾を投げつけたり、高圧水をかけたりしていた。市民は消防車やパトカーを引っくり返したり、石やレンガー、ガラス瓶などを警察に投げつけたりして反撃した。衝突の中、同ホテルには火事が発生、現場は大混乱だった。約十数人の市民が負傷し、警察に強制連行された。警察にも負傷者が出た。あたりの交通は麻痺状態に陥り、ほとんどの店は営業を中止したという。

4日目の21日午前3時、周辺地区から約150台の軍用トラックに乗り込んだ武装警察が、ホテル周辺に進駐した。5時間後の午前8時、現場に集まっていた市民1万人あまりは全員退散し、遺体も警察の手に渡したという。遺族の行方と生死は不明。

現地政府は当初から、メディアの介入をすべて遮断し、情報封鎖したという。

亡くなった塗さん

(記者・駱亜、馮長楽、翻訳編集・叶子)