【大紀元日本7月15日】北京オリンピック開催を前に、中国共産党は気功団体法輪功(ファールンゴン)学習者に対する弾圧をエスカレートさせている。中国国内で五輪トーチが通過した都市では、多くの法輪功学習者が監視され、逮捕されたという。法輪功情報サイト・明慧ネットの情報によると、2008年に入ってから、全国で少なくとも1,800人の法輪功学習者が五輪開催を理由に逮捕されたという。一部の学習者たちは、逮捕された後、司法手続きもないまま判決が下され、その刑期は五輪終了までというケースもある。
五輪トーチリレーが巡回した寧夏中衛市、呉忠市、首府の銀川市では、トーチが通過した前後の期間に、法輪功学習者に対する監視、家宅捜索、追跡及び逮捕が厳しく行われた。
国内からの情報によると、一部の法輪功学習者の家の周囲には毎日十数人が交代で待機し、またある学習者の家の廊下には公安局により監視制御機器が取り付けられ、表に出ただけで尾行が付いて来るという。これら尾行の一部は、「610弁公室」の職員の指示のもと、住民委員会のメンバーが指揮している。尾行する人は毎日30元の報酬を受け取っており、その中には中学生までいるという。
6月17日、寧夏固原市隆徳県の教師である法輪功学習者・何向龍さんは、沙塘鎮中学の夜間自習期間、学校に押入って来た国保大隊と沙塘鎮派出所の警察官に、突然拉致された。何さんは2007年に「優秀教師」という称号を与えられ、学生たちから深く尊敬されている人物だった。
6月20日、同市大新郷派出所の警察は、法輪功学習者・劉燕さんの家に押入り、劉さんと1歳の子供を逮捕した。夜になって子供の父親が迎えに行ったが、警察は子供を返しただけで母親の劉さんを拘禁し続けた。
6月30日正午、銀川市の法輪功学習者・鄭永新さんは、同市富寧街派出所の警察に逮捕された。警察は逮捕の理由として銀川市でのトーチ・リレーを挙げ、リレーが終了する7月1日に釈放すると告げたという。しかしその後も警察は鄭さんを釈放せず、同市にある看守所に移送した。鄭さんは銀川電力供給局の職員だったが、法輪功を学んでいることを理由に除名されている。
北京五輪トーチは7月12日、黒竜江省大慶市に到着した。明慧ネットによると、2008年6月28日から7月4日の間に、大慶市では少なくとも20人の法輪功学習者が逮捕されたという。
6月28日、同市龍南遠望の法輪功学習者・宮剣涛さんは龍南公安分局に逮捕された。現在、独立屯拘留所で拘禁されている。
7月1日、大慶市では6人の法輪功学習者が逮捕された。午前6時前後、大慶石油学院の韓秀花さん(退職した党幹部)が自宅で警察に逮捕され、その他四人も含めて、大慶第一看守所に拘禁されている。また、大慶供電技校の教師・王玉華さんも同日午前、龍風公安分局の警察官4人に逮捕された。
7月2日正午、大慶市八百坰(けい)公安分局の警察官は、大慶飛旭工程公司の従業員・趙秀萍さんの家を家宅捜索した。大慶市采油二広の金妙慶、宋麗さん夫婦も逮捕され、家財を没収された。
7月4日朝、大慶市警察は再び一斉に法輪功学習者の逮捕活動を行い、協力しない学習者の家には万能キーを使って侵入した。
また、19人の警察官と2台の車が西賓居住区41号棟の法輪功学習者・劉艶琴さんの家を包囲した。警察はノックしてもドアが開かなかったため、梯子をかけて窓に上り、格子を無理やり壊して中へ侵入した。
国内からの情報によると、6月初めに大慶市では、各部門及び学校でも法輪功に関する会議が開かれ、党上層部からの文書が伝えられた。文書は、学生に対して、法輪功について聞かない、見ない、資料を回さない、資料を配る法輪功学習者を見たら告発することなどを要求している。
法輪功は、中国の伝統精神健康法である気功の一種。五式の気功鍛錬法のほか、宇宙が「真・善・忍」という精神特性を持つ物質精神同一論を唱えるのが特徴。1992年に中国の東北部から社会に伝出され、その健康効果が口コミにより速やかに全国に広まり、愛好者は一億人にまで増えた。1999年7月から、中国本土で弾圧され、愛好者らが中国大陸で迫害を受けている。それをきっかけに、海外で名が知られ、台湾、韓国、アメリカをメインに多くの国で流行となった。日本でも愛好者が増えている。
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