鳥インフルエンザ感染確認、香港・中国家禽輸出入禁止=香港

2008/06/09
更新: 2008/06/09

【大紀元日本6月9日】香港政府は6月7日、市場の家禽からH5N1型鳥インフルエンザ・ウイルスが検出されたことを発表し、当日より21日間、中国大陸からの家禽輸入を禁止し、出所を調査するために、地元からの家禽輸出も暫時的に禁止した。

香港食物および衛生局・周一嶽局長は7日に、食物および環境衛生署(以下、食環署)関係者は6月3日に九龍深水ブ保安道街市で、抜き取り検査した20の環境サンプルの内、5つの鶏糞サンプルからH5N1型鳥インフルエンザ・ウイルスが確認されたことを明らかにした。周局長は、地元にある9つの販売所の3箇所からH5N1型ウイルスを発見したと示した。3箇所の販売所のオーナーによると、今回の鶏は中国・長沙湾臨時家禽卸し市場から仕入れたという。香港および大陸の鶏販売所にわたり、感染拡大の恐れがあるため、当局は鶏の出所の究明を急いでいる。

*警戒から厳重警戒

周局長は、香港の鳥インフルエンザは警戒措置から厳重警戒措置に変え、食環署関係者は感染場所から鶏の移動をすでに禁止し、鶏販売所を封鎖し、2千700羽の家禽を処分する処置を取ったこと明らかにした。さらに、香港の64の町・市に対しても検査を行ったが、今のところ、異常はなかったと示した。

周局長は、香港の小売市場で仮に鳥インフルエンザを発見した場合には、香港全体の小売市場の鶏を処分することを強調した。

市場内の全ての家禽処分を行う保護服や防具を身につけた作業員(AFP)

*香港・大陸の鶏輸出入禁止

周局長によると、長沙湾臨時卸し市場は6月9日に前面的な消毒作業を行い、町・市の清掃日も2日間を前倒しするという。

また、食環署は中国国家質検総局に対して状況を報告し、香港病院もヒトへの感染予防を強化し、衛生予防保護センター・ホットラインを設置し、市民に問合せる窓口を提供する。

香港魚農自然護理署は6月7日午後に、当局のホームページで、保安道野菜市場は「鳥インフルエンザ・ウイルスに感染された場所」だと発表され、生きた家禽の販売は即時に停止するよう呼びかけた。

一方、現場の家禽販売者によると、政府関係者は午前に現場でサンプルを収集し、のち、すべての販売所に対してサンプルに問題があり、販売中止するように求めた。一方、販売所によると、ここ数日間、市場内で死亡した

市場内の全ての家禽処分を行う保護服や防具を身につけた作業員(AFP)

鶏が増えたという。

*家禽販売所、損失甚大

6月8日が端午の節で、一部の販売所は大陸より鶏を仕入れたばかりだったが、鶏の処分は彼らにとってそれぞれ数万香港ドル(数十万円)の損実をもたらした。

世界で最初の鳥インフルエンザのヒト感染症例が1997年、香港で発生し、2001年に大規模の鳥インフルエンザ感染が起きた。当時、香港政府はすべての家禽を処分することを発表した上、民衆が自宅で家禽を放し飼いすることをも禁止した。しかし、その後、高病原性鳥インフルエンザH5N1型感染症例は、中国各地ないしアジア、欧州等地区まで広がった。

インドネシア当局は鳥インフルエンザ感染情報の公開によって、イメージダウンした部分を改善するために、5月14日に発表した鳥インフルエンザに感染死亡者の第109人目の少女(15)を最後に、今後の鳥インフルエンザ感染情報は一切出さないことにした。インドネシアは全国33省のうち、31の省は鳥インフルエンザ感染発生があった。

世界保健機関(WHO)の統計によると、今年の5月末までに、中国を含めて、世界における鳥インフルエンザのヒトへの感染は348症例があり、その内の242人が死亡した。

 (翻訳/編集・余靜)