【大紀元日本1月3日】中国が新興の強権ぶりをもって世界で飛躍する中、ベルギーの著名な仏文誌“LE VIF/L’EXPPRESS”は、今年の中国は様々な危機に直面するとの見解を示している。
同誌最新号に掲載された論文「中国は崩壊に瀕するか」は、次のように指摘している。オリンピックの開催、世界第三の経済大国への浮上に支えられ、2008年は「北京の年」になると考える者もいる。しかし、中国は、この1年において、政治、経済及び社会の様々な側面において多くの危険に直面し、北京もまた、現在、過度の成長がもたらした多元的な危機を抑制する方法を講じるために骨を折っている。
14ページにもわたるこの論文によると、今年8月のオリンピックが近づいているが、北京はこれを喜ぶことができない。なぜなら、北京は、経済及び資産の成長がもたらしたインフレ、及び物価の高騰による街頭デモ、ビジネスの混乱に直面しているからである。
中国の不動産市場は常軌を逸するほどに暴騰し、株式市場の状況も、賭博場の様相を呈している。経済においては、米ドルが氾濫したが、これをコントロールできなくなり、超速のスピードで前進している。北京の急務はこれを減速させることであるが、世の中には、北京が一体どのような具体的対応措置を採ったのか分からない。
他方、メディア統制について、中国のインターネット利用者は世界第2位へと飛躍したが、中国当局は、このネットワークのツールを封鎖するために可能な限りのあらゆる措置を採っている。なぜなら、ネットワークの発展が中共のメディア統制に与える脅威が実に大きいからである。他方、中国のネットユーザは、当局の統制に挑戦する方法を講じることに一層力を入れている。
本論文はまた、製品が世界で販売されている、中国各地の玩具製造工場の労働者の生活及び労働環境・条件の劣悪ぶりなどの現状を例にとり、こうした事実から、中国の労働者は、経済成長の下で忘れ去られた一群であり、長年来の経済発展のメリットを享受していないと指摘している。
また、中国では、毎年多くの民衆が労働市場に参入したいと考えるが、仕事は見つからない。こうして、「明日はもっと良くなる」という希望が叶わなくなれば、中国に社会危機がもたらされるという。事実上、財政危機、政治危機及び社会危機が今日の中国を脅かしていると本論文は指摘している。