退役軍人千人、警察と流血衝突=中国黒龍江省

2007/09/15
更新: 2007/09/15

【大紀元日本9月15日】中国黒龍江省チチハル市鉄道学校のキャンパス内とその周辺で9月13日から14日の朝方まで、退役軍人約千人と公安および警察官数百人が激しい流血衝突を起こし、10人が負傷、5人が拘束された。香港中国人権民主運動情報センターが明らかにした。

情報センターによると、9月3日より、内モンゴルの包頭市、陝西省の宝鶏市および湖北省の武漢市にあるそれぞれの鉄道学校で、職業訓練を受けている退役軍人計2千人が、同時に抗議活動を行った事件の発生後、当局鉄道部は緊急命令を下し、全国12の鉄道学校に配置された退役軍人6千人あまりを休学させ、原籍地へ帰省させたという。鉄道部は、休学させた退役軍人についてどう対処するかについては触れなかった。

一方、13日夜から、チチハル鉄道学校の退役軍人が学校の教室および寮を破壊したため、当局は大量の公安および警察を現場に派遣した。退役軍人らがチチハル駅へ向かおうとして、警察官数百人の群れを突破した際、流血衝突になった。

情報筋によると、チチハル市その他地区の退役軍人も応援に駆けつけたという。現場にあった警察車両3台が破壊され、退役軍人5人が公安に拘束され、10人が負傷したという。衝突は翌日午前3時まで続いた。

情報センターによると、中国鉄道部は今年7月初旬に選抜試験により、退役軍人約6千人を募集し、全国各地12の鉄道学校へ配置し、2年間の職業訓練を実施した。しかし、退役軍人が8月末に学校に出頭してから、一部の学校の環境や条件が悪く、施設を使用する毎に法外な料金を徴収されるなど、退役軍人の不満を募らせたという。

一方、香港に本拠を持ち、中国労働者運動に強い関心を寄せている「中国労働者通信」の駐パリ代表・蔡崇国氏は、中国の退役軍人の殆どが就職難に直面しているとし、退役軍人の社会に対する不満は普遍的であると指摘した。

蔡氏は、中国政府がもっとも頭を痛めていることが失業の問題で、大量の退役軍人が失業し、社会的弱者の一部になると強調した。蔡氏は「軍人は退役した後に、すべてが一からやりなおさなければならない。住居、結婚、子供の学校の問題などなど。すべてはお金がかかることだ。金もなく、将来の見通しがつかない、社会から差別を受け、重い家庭の負担を背負うなど。多くの退役軍人の生活は実に苦しい」と分析した。

中国では毎年、労働者および社会的弱者による抗議事件は大量に発生している。

(翻訳/編集・余靜)