【大紀元日本8月20日】中国甘粛省河西回廊オアシスの水源となる祁連山脈氷河は、河西地区500万人の生存に係わるともっとも重要な水源だが、地球温暖化の影響を受け、同氷河は急激に萎縮している。甘粛省気象局専門家は、祁連山氷河は数十年後に完全に消失すると予測している。
新華社は、甘粛省気象専門家の話を引用し、気温の上昇が祁連山雪線の上昇と氷河および積雪面積の縮小をもたらしたと報道した。報道によると、氷河の局部地区の雪線は年平均2~6・5メートルの速度で上昇し、一部地区の雪線は年平均12・5~22・5メートルの上昇に達している。
専門家は、氷河面積の減少は継続しており、氷河の萎縮も今後は継続すると予測している。一方、面積が2平方キロメートル前後の小氷河は2050年までに消失し、2050年以降まで維持できる比較的大きい氷河も一部しかないとの見解を示している。
祁連山の部分地区の積雪面積も減少の傾向にある。衛星遠隔探査資料によると、2007年1月29日および2006年1月31日のものを比較した場合に、祁連山東の部分の積雪面積は6・5%が減少し、中間部分は8・7%で、西の部分は18・6%が減少していることが分かった。
専門家によると、氷河の後退、雪線の上昇は自然気候の要素のほか、人口増加、放牧超過、過度開発も氷河区域の生態環境を破壊する主要な原因だという。これらの原因が河西回廊を砂漠化し、中国砂嵐発生の原因の1つにもなるという。
祁連山は中国西北甘粛、青海両省の境界にある平行する山脈で、東西方向の長さは約1000キロメートル、その内高さが5千キロメートル以上の山は26があり、氷河総面積は約1970平方キロメートルに達する典型的高原氷河である。
祁連山氷河氷雪は石羊河、黒河、疏勒河の3大水系の源で、甘粛河西回廊オアシスの水源基礎であり、河西500万人の生存に繋がる命脈である。しかし、祁連山氷河融解した水は1970年に比べ、すでに約10億立方メートルが減少している。
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