【大紀元日本8月6日】インド洋の上空に石炭灰、酸性物とその他の有害粒子によって形成される大きな雲が存在していると、科学者は指摘している。この雲は「アジア褐色雲」(Asian Brown Cloud)と名付けられ、ヒマラヤ山脈氷河の融解を加速させ、中国、インド、バングラデシュ、およびその他の下流に位置する国々の合わせて約20億人の生活に危機をもたらしているという。
このアジア褐色雲の分布は、西はインドから、東は中国まで、1999年のインド洋上実験中に初めて観測された。科学者の分析によると、この褐色雲は空気中に浮遊する粒子と汚染物により構成され、一定の湿度条件を満たすと、薄い霧、あるいは砂混じりの大気に変化する。
英紙タイムズによると、米国カリフォルニア州の海洋研究所の科学者が、インド洋の海抜500メートル、1500メートル、3000メートルの上空で、この褐色雲を観測した結果、浮遊粒子に石炭灰を見つけ出した。その灰は熱の吸収を増強し、周辺空気の日光からの吸熱量が5割も増したという。
科学者は、「一部の浮遊粒子は太陽の光を反射するため、専門家が心配している『地球が暗くなる』という現象をもたらす。また、暗い浮遊粒子は、太陽の輻射と熱を吸収してしまう」と指摘している。
研究者が統計データから試算した結果によれば、ヒマラヤ山脈の気温は1950年から、十年ごとに摂氏0・25度上昇、地球温暖化の平均速度の2倍に達している。
科学者は、「ヒマラヤ山脈の氷河4万6千カ所のうち、3分の2は収縮しはじめ、最近では、融解スピードも速まり、下流地域で水害を誘発している。将来、深刻な干ばつをもたらす恐れがある」と分析し、「その状況を作った根源は、中国、インドなどのアジアの発展途上国で、石炭、木材を燃焼、エネルギー主要供給源にするため」と分析している。その説について、インドの科学者は、「この言い方は事実に基づいていない、欧米国家の政治的意向によるもの」と反論した。
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