【大紀元日本6月11日】ドイツのロストクで開かれた主要国首脳(G8)会議=ハイリゲンダム・サミットは6月9日、4日間にわたる会議を終了し、地球温暖化対策、イラン・北朝鮮の核問題、スーダンのダルフール問題について話し合ったほか、中国の人権問題について、胡錦濤総書記に対しても圧力をかけた。
*中国の人権蹂躙を非難
BBCによると、これまでに中国の人権蹂躙問題を強く非難して来たカナダのハーパー首相は、G8サミットに参加した胡総書記に対して、カナダは今後も積極的かつ適切に中国が欠けている民主の問題に対して、「合理的な」関心を寄せることを表明したという。ハーパー首相は、中国の民主および人権における普遍的な問題に限らず、個別的事件も含むと強調し、特に、ウイグル族のフセイン・セリル(Huseyin Celil)氏に対する「テロ活動および国家分裂陰謀罪」の判決に言及した。
ハーパー首相は、胡総書記に対して、中国は経済発展により国際社会における重要性が高まっているが、民主発展および人権などの問題において、国際社会からの圧力もますます強くなると指摘した。この問題について、2008年北京五輪および2010年上海世界博覧会の開催時に、大量の外国人が中国入りすることから人権観察などの監視が強まると指摘し、「中国のイメージを正すことは、中国自身の利益になる」と強調した。
*ダルフールの人道問題
一方、サルコジ仏大統領は胡総書記に対して、中国はあらゆる方面からスーダンのオルマ・アル=バシール大統領へ圧力をかけ、国連およびアフリカ連合からなる平和維持軍がスーダンへの進駐の受け入れを説得するよう働きかけたという。この問題について、サルコジ大統領は、6月25日に開かれるダルフール問題に関する会議に、中国外交部の楊潔●(ヤン・ジェチー)部長を招いたという。(●=簾の兼を虎に換える)
米大統領スポークスマンのペリノ氏は、ブッシュ大統領と胡総書記の会談で、イラン・北朝鮮およびダルフールの重要な議題にも言及したとし、双方はさらにエネルギー、貿易、環境および気候変動における問題も議論したことを明らかにした。
*温室効果ガス排出量
気候変動問題について、胡総書記は主な責任は工業大国にあると主張し、温室ガス排出量を制限する問題ではなく、経済発展および人民生活の改善を優先すべきだとの見解を示した。
これに対して、メルケル首相は、工業先進国は地球温暖化に対する「特殊な責任」があるとし、2012年には、中国などの新興経済国の温室ガス排出量が工業先進国のレベルに達することを指摘した。メルケル首相は、中国は経済発展を続けることはできるが、永遠に止まらないわけではないとし、最終的に世界的規模の脅威を阻止することが目的であると強調し、気候変動問題において胡総書記と異なる見解を示した。
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