【大紀元日本1月29日】米タイム誌はこのほど、「中国の世紀」と題したトップ記事で、経済発展した中国がアフリカなどの人権状況に問題がある国家を多く支持しているのは、安定した資源供給を獲得し、経済成長を継続させることによって、国内の不安定要因を抑制することにあると指摘した。
同誌によると、中国は依然として貧困国家であり、2005年の国内GDPが1700米ドル(約20万円)にしか達していなかったという。中国国内で頻発する暴動や官僚の汚職、貧富の格差拡大など、社会・経済問題に直面する指導者は、社会の安定を維持することが最優先に考慮すべきであり、国際社会における発展ではないとしている。
しかし、中国は国際社会において、重要な役割を担う姿勢を示しており、アフリカ国家へ大量投資するほか、国連常任理事国としての立場を利用し、スーダン政府のダルフールにおける種族大量虐殺に対する国際社会の譴責議案を緩和させようとしている。その理由は、中国の国有石油会社がスーダン南部油田経営権の48%を有しているためと同誌は分析する。実際、国際人権団体は、中国の対アフリカ政策は、悪人を助けて悪事を働くことだと非難している。
中国は、内部干渉として国際社会の指摘を拒否している。中国がいう内部干渉とは、チベットおよび台湾の地位存在であるという。中国は暫時的に曖昧な状況を容認しながら、一つの中国と強く主張する。
一方、北朝鮮問題について、中・米協力体制になっているが、ワシントン当局は中国の姿勢が変ったとは考えていないという。同誌は、イラン問題について、中国はロシアに協力を求め、米国および欧州連合が提出した制裁案の実行を阻止した上、イランの天然ガスの購買と油田の開発に協力したと指摘した。
中国は依然として一党独裁で民主的な国ではないため、中国国内では民衆の決起が脅威になっている。米政界および企業家らは、中国がさらに豊かになるようであれば、政治においても改善しなければならないとし、中国はますます裕福になっているが、政治改革の兆候すらないと同誌は指摘した。
長期にわたり中国を観察しているジェームズ・マン氏(米国ジョーンズ・ホプキンス大学国際関係学)は、著書『チャイナ・ファンタジー』の中で、民主のない中国は、米国にとって付き合いにくいのだとし、米国は、中国と同様に民主がなかった旧ソ連に対する影響力に比べると、中国への影響力は少なくなっていると分析。それは中国が何十億ドルにも上る米国の資産を有し、低価格を求める米国の消費者も中国の安い労働力に依存しているからだ。また、ドイツ対外関係委員会の責任者エバーハード・サンドシュナイダー氏(Eberhard Sandschneider)も、中国の平和、協力、発展についての話は、欧州側が耳を傾けたが、実際は中国の資源確保と市場の競合のための話に過ぎないのだと指摘した。
タイム誌は、中国は手段を選ばずに資源供給先を確保しているのは、一部の国から非難と不満を招いている。しかし、国際社会は、中国が最終的に平穏に国際社会に協調するのを望んでいるとした。