2006年回顧-中国共産党関連組織からの離脱運動

2006/12/29
更新: 2006/12/29

【大紀元日本12月29日】04年11月、『九評共産党』は発表以来、中国大陸でますます広く伝わり、中国共産党関連組織からの離脱運動(「三退」と呼ばれ、共産党、共青団、少先隊からの離脱表明)もますます勢いを見せている。中国共産党(中共)当局はあらゆる手段を用いて運動の拡大を阻止しようとしたが、「三退」した人は今年初めの600万人から1600万人を超えた。中国国内においては、広東省汕尾市東洲の虐殺事件、法輪功学習者に対する臓器狩り、人権弁護士・高智晟氏の逮捕などが、むしろ多くの中国人を奮い立たせ、中共との決別を決意させた。海外においては、多くの政府や民間の有識者、例えばEU議会副議長エドワード・マクミラン-スコット氏、カナダの前アジア太洋州局長デービッド・キルガー氏、及びカナダの首相スティーブン・ハーパー氏等が立ち上がり、中国共産党に「ノー」を突きつけ、民主主義国家間で中共の悪行を見つめ直し、声を発しようとする動きが形成された。中国共産党は自らの行動で『九評共産党』のそれに対する暴露と結論がいかに正しいかを証明しているかのようだ。06年、『九評』と脱党運動のうねりが起こり、中国大陸では民心が覚醒し、中共軍隊の士気が激しく動揺し、党は内部崩壊寸前となった。中共の解体は歴史の必然の流れであり、いかなる力も逆転させることはできないだろう。

1 民心の覚醒

一年前に、中国共産党当局は戦車、装甲車を出動させて、基本的人権を求める広東省汕尾市東洲村の村民に血生臭い弾圧を加え、銃を発射した。それは「汚職官吏に反対するが、共産党には反対しない」という従来の「維権運動」(基本的人権が当局により侵害され、権利維持を主張するための直訴)の夢想を打ち砕いた。中国の民衆ならば、地方の官吏が戦車や軍隊を動かせないということをよく知っているからだ。多くの陳情者、被災者、土地を失った農民、失業者、騙された学生及び抑圧された市民達は、『九評』と脱党の情報に触れ、「東洲虐殺事件」、「太石ストライキ」などから目を覚まし、中共に対する幻想を捨てた。彼らの「権利維持を求め、暴力に抵抗する」運動も以前のように共産党当局にお願いすることから共産党の暴行を暴露し、世界に対して支持を呼びかけ、脱党により共産党の解体を促すという方向へ変わってきた。今年3月、湖北省黄陂食糧企業系統の100人余の「維権運動」労働者が絶望したあまり、集団署名して、武漢市の委員会に対して脱党を公にし、中共の上層部を震撼させた。06年7月、広西省隆安県の47人の村民は、土地を取り返すために抗争したが結果は得られず、共同署名で所在地の隆安県委員会に脱党を表明した。また、最近「中国の人権保護」など二つの人権賞を獲得した高智晟弁護士は、共産党情報機関に200数日間包囲されながら、勇敢にその理不尽な行為を暴露し、中共当局による法輪功学習者への臓器狩りの悪行を厳しく非難して公にし、脱党声明を発表し、脱党運動を声援した。「中国の良心」、「中国の勇士」と称されるだけのことがある 。

中国政府当局の統計によると、05年、全国で平均して6分毎に1つの抗議活動が発生しているという。いろいろな現象からして、このような抗議(つまり権利維持を求め、暴力に抵抗する)活動は、06年は減るどころかむしろ多く発生していると見受けられる。ほとんど毎日数十件、数百件発生し、社会の各階層に及んでいる。そのため、中国共産党はやむなく10月、公文書を下達し、文書中には次から次へと発生する社会の抗議活動が「その支配を動揺させている」と認めている。多くの民間団体は抗争すると同時に、私達のグローバル脱党サービスセンター、大紀元ウェブサイトにも共産党関連組織からの離脱名簿を送ってくる。ある省の党校(中共党員エリートの育成機関)のある学生が脱党した後、中共の武装警察に捕えられて酷く拷問された。この事件で同校の多くの学生が不満を爆発させ、抗議するため40数人が勇敢に「三退」の声明を出した。これらの事件は、中国民衆の人心の覚醒を示すものであり、誰も阻止できない。中国共産党が独裁体制を維持するために頼りにしている嘘、暴力、恐喝はますます効果が無くなった。「水は舟を載せ、亦、舟を覆す」(荀子)という昔の訓示は今まさに実現されようとしている(「水」は国民、「舟」は政権を意味する)。

2 軍隊の士気が大揺れ

『九評』発表以来、いつでもインターネットを利用できる中共軍隊の将校、士官達はすぐ『九評』を互いに伝えあうようになった。そして急速に中共を離れ、脱党運動に参入した。05年3月、中共軍需産業系統の年配の軍人46人が脱党声明を出し、中国軍人の集団脱党の幕開けとなった。

06年、軍人の脱党はさらに持続的に高まり、特に今年3月、中共当局による法輪功学習者への臓器狩りの犯罪行為が暴露されてから、正義感のある軍人は憤り、次から次へと中共からの脱退声明を発表し、そして積極的に「『九評』を伝え、三退を促進する」ボランティア活動に参加した。ある軍人は脱党声明の中でこう書いた、「人民の軍隊が人民を守るのか、それとも党に支配され、一党独裁の道具になるのか、ずっと困惑していた問題だったが、身内の慈悲の呼びかけで、この凶悪な党はもともと悪霊、悪魔であると分かった。生きたままの庶民の臓器さえも摘出して金儲けに使うとは、普通の人は想像すらもできない。脱党することにした、また妻や娘と一緒に共青団、少先隊からも離脱する。軍人として、人民が必要とするなら、私は銃を凶悪な党に向ける」。

7月、ある中共海軍の高官が実名で最初に脱党した後(安全を考慮して、後にこちらで仮名に変更)、さらに海外脱党センターにどのように脱党を推進するかを提案した。06年7月の「国民全体の脱党月」が始まってから、海外の脱党サービスセンターやいくつかの団体は、続々と大陸軍人から如何に早く中共の解体を加速させるかとか、また軍隊の国家化などに関する多くの電話や手紙を受け取った。軍の中の正義の声の提案により、志願者のネットプラットフォームとして、「未来中国フォーラム」が立ち上げられた。すでに多くの正義の人びと、脱党した中共の党、政府、軍の官吏から、中共を解体し、安定を維持し、新しい政体作りなど各方面に関する実行可能な対策案が提出され、中国共産党が滅びる直前に人民への殺戮を防止する緊急な軍事対策案なども含まれている。これらの正義の叫び声は、中共の首魁らを毎日針のむしろに座らせているようなものである。

中共の総書記が今年5月、黄海で北海艦隊を視察した際に、砲弾の襲撃を受けたことで、中共上層部の軍隊に対する恐怖心は一層強くなった。海外メディアの報道によると、少し前、中国共産党は中国軍隊の現状に対処する「緊急対策案」を出したという 。すなわち、未来の「緊急時」に当たり、下の部隊が階級を越えて直接中国共産党のトップに情況を報告することが許され、また中国共産党のトップも肝心な時に各大軍区を通り越して部隊を指揮することが許されるのである。中共は、その「命の綱」と目している軍隊に対しても、信用していないことを示すものである。中国の軍隊の将兵達が徹底的に共産党を捨て、祖国と人民の懐に帰るのも、もう時間だけの問題であろう。

3 中共党内部が崩壊寸前

06 年、中共中央の機関から連続して海外の脱党サービスセンターへ実名による脱党声明が出された。甚だしきに至っては北京中南海の上層部の人でさえ、海外脱党サービスセンターに電話をかけ、実情を知ろうとする。最近台湾に政治庇護を求めた山西省政府幹部で山西省科学技術専門家協会事務局長・賈甲氏は、海外メディアに中共関係機関の党幹部でさえ中共を嫌悪し、憎み、中共の崩壊を望んでいる心理状態にあり、「中国共産党は実際には党中央にしか残っていない」などという真実の現状を暴露した。

かつて中国南部のある省の数人の脱党した幹部が、課クラスから省クラスまでの中共幹部100人に対してサンプリング調査を行ったことがあり、その結果はこうである。

(1) 中国共産党の前途に対する評価に関して、そして「天が中国共産党を滅ぼす」という一説の見方に対して、100% の官吏は驚異的に一致し、肯定的な回答を出した。

(2)『九評共産党』に関しては、圧倒的多数は聞いたことがある。17人が『九評共産党』を読んだことがあり、中の11人が『九評共産党』がよく書けており、中共に対する死罪判決文だと認識している。

(3) 脱党に関しては、41人は態度を明確にしており、仮名でよければ脱党声明を出してもよいと表明した。経済的利益などの理由からしばらく脱党しない人は32人、脱党後のことを心配して、報復に遭うのを恐れた人は14人、更に時局の変化を見て、しばらく退かない人は13人。しかし、中国共産党のために「一生奮闘する」人は1人もいなかった。

以上の事実から、中国共産党及びその有害な教義がその党員と幹部の心の中ですでに死んでいることは明らかとなった。民衆の心、軍の士気と党員の心を失ったこの邪悪な政権は、必然的に近いうちに、中国人民に捨てられて、世界に捨てられて、歴史に捨てられるだろう。

(編注・この文章は12月10日「世界人権の日」、サンディエゴでの脱党集会の発言をもとに整理したものである)

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。