【大紀元日本12月23日】今年8月から北京当局に拘禁されてきた中国の著名人権弁護士・高智晟氏は22日、北京市中級人民法院(地裁)により「国家政権転覆扇動罪」で懲役3年、執行猶予5年、政治権利剥奪1年の判決を言い渡された。高氏の家族に確認したところによると、高氏は23日すでに北京の自宅に帰った。
妻の耿和さんは高氏の健康状況はよいとしたが、海外との連絡を控え、「わたしの立場を理解してください」とした。
高氏は当局の土地強制収用問題での農民支援や当局の弾圧を蒙っている気功集団「法輪功」や人権擁護活動家を代弁するなどの人権擁護活動を続けてきたことで知られ、かつて、法輪功弾圧事情を調査し、胡錦濤氏と温家宝氏へ3通の公開書簡「政権は殺人をやめよ」などの文書をネットに投稿し、海外メディアに中国人権現状などを説明し、自らの意見などを発表したことがある。最初、当局は高氏の口を封じるため、同氏の弁護士事務所の業務を停止し、拘束、監視、威嚇、暴力などの手口を使ったが、今年8月に突然同氏を連行し、所在がわからなくなっていた。
今月12日、同法院は「国家政権転覆扇動罪」で高氏に審判を行った。しかし、高氏の家族や弁護士は如何なる通知も貰ってないという。妻・耿和さんによると、当局が8月15日から高氏を拘禁してから、判決を言い渡されるまで、家族にはいかなる通知文書も届いておらず、耿さんが判決日程や指定された弁護士の氏名を聞いても、同地裁からは明確な回答はなかったという。
高氏の家族が依頼した高氏の弁護士で、北京の著名刑事弁護士・莫少平氏は大紀元の取材に対して、「法廷は家族が委託した弁護士の介入を許してくれなかったため、認定事実を知ることができない。そのため判決の認定事実とその理由が成立するかどうかの判断もできない。新華社が明らかにした刑期から判断すると、『国家政権転覆扇動罪』の中でも最も軽い刑罰であることが分かる。執行猶予の前提条件としては、3年または3年以下の懲役である。当時の杜導斌案件はこの案件と類似している」とコメントした。
土地強制収用された人々の代弁をしたことで当局に3年間も監禁された上海の弁護士・鄭恩チョン氏は大紀元の取材に、現体制下では、懲役3年と執行猶予5年の判決は、高氏がこれから自宅で5年以上も軟禁され、または海外に追放されることを意味していると指摘した。
香港中文大学アジア太平洋研究所中国法制研究員・王友金氏は高氏に対する審判過程と判決結果に対し、特異な例であると述べ、当局は罪を着せようと思えば、理由はいくらでもある。執行猶予は高氏に言論と行動を制限する目的にある、と指摘した。
王氏は、「人権擁護はとても敏感な仕事であり、執政者の利益と彼らの犯した過ちに直接ぶつかるからである。高氏が人権擁護活動に従事していた時、よく拘禁、監視され、現在当局は『国家政権転覆扇動罪』で彼を審判した。同氏の行動からみれば、ただ権利を擁護することに過ぎず、転覆を企てた訳ではない。密やかに審判を行い、家族の傍聴さえ許されないような審判は中共自らの規定にも違反している。このような処罰は同氏のこれからの言論と行動を制限することが目的であることは明らかだ」と分析した。
中国の法律によると、執行猶予の期間中は多くの制限が付いており、記者のインタビュー、出国、他人との接触が許されないなどがある。人権擁護に従事する人間に対し、以上の制限は、すなわち高氏が意見の発表は許されず、同氏を社会から隔離させることに等しいとみられる。
王氏は、「中国の文化大革命の時期にこのような判決の例が多かったが、中共はいまだにこのような手口を使うことは中共の法制がますます劣っていることを示している。この件をきっかけに、国際社会の支援者らから当局を批判する声が多くなるだろう」と推測した。
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