【大紀元日本12月15日】勾留されている人権弁護士・高智晟氏の家族が依頼した弁護人である莫少平・弁護士と丁錫奎・弁護士によると、同氏の案件はすでに12日午前、北京市第一中級人民法院(日本の地方裁判所に相当)で法廷審理された。両弁護士が同日、高氏の妻と兄に告げたという。家族には、同案件についてこれまでまったく知らされていなかったという。高氏の支持者らは、中共政権による一方的な審理を非難し、中国での民主運動の灯台とされている高氏への救援を国際社会に要請している。
高智晟・弁護士は8月に「国家政権転覆罪」で逮捕され、今月1日に起訴された。中共政権は高弁護士が依頼した弁護人・莫少平氏の弁護を拒否し、別の2人の弁護人を指定したという。また、本来は公開裁判の形であった今回の裁判に対して、当局は国家機密を理由に訴訟の審理及び裁判の一般傍聴を禁止した。
国選弁護人から家族に伝えられた内容は、①法院はすでに3日前に法廷審理する時間と場所などの情報を公表した②法廷審理の際、2人の国選弁護人が弁護を行った③被告人の高氏は検察側の『国家政権転覆罪』との起訴罪状を認めた④国際メディアが本件を報道することは、判決に不利な影響を与える―の4点。
また、国選弁護人は高氏の家族に、「以上の情報源を明かしてはいけない」と伝えたという。
莫少平・弁護士:「法廷審理について知らされていなかった」
これまでに、中共政権は家族が依頼した弁護人・莫少平氏の本案への介入を禁止し、高氏との面会も許されてない。
莫弁護士は取材で、本案の審理に参加しなかったことと、検察側が高氏を起訴する証拠も提示されていないことなどを明らかにし、そのため、自分が得た情報をそのまま家族に伝えるしかないと説明した。高氏が起訴内容の一部を認めたのか、あるいはすべての罪名を認めたのかについて、莫弁護士はコメントできないと答え、「家族から委託された弁護人として、政府部門に対し、高氏に対する法廷審理は不公正であることを申し出る上、二次審理に備えるために、一審判決の際に判決書が示されることを願っている」と発言した。
人権活動家:高氏が起訴事実を認めるはずがない
長い間、高氏の社会弱者を支援する活動を支持し続けてきた胡佳氏(エイズ患者を救済する活動家)は、「私が知っている高弁護士は、まっすぐな男で、自分のすべての行いを必ず認める。まして、彼の行動は極めて正当であり、公で堂々と活動してきた。『国家政権転覆罪』について、高弁護士は、この罪名の存在自体は憲法への違反であり、言論自由への妨害であると認識している」と述べ、高氏が検察側の起訴事実を認めるはずがないとした。
家族に伝えられた中共当局からの「国際メディアによる本件の報道は、判決に不利な影響を与える」との文言について、胡佳氏は、「これは中共の警告であり、このような表現は、国内の様々な人権抗争の案件処理に使われ、中共が常用する脅し文句である。目的は国際社会による高弁護士への救援活動を封じるためだ」と指摘した。
法廷審理について知らされていない家族
12日、莫少平・弁護士からの知らせを受け、耿和さんは高氏の甥・高顕さんと一緒に、すぐに同弁護士の法律事務所に駆けつけた。同弁護士は「裁判所は高氏が弁護を拒否するとの理由で、家族が依頼した代理弁護士の介入を阻止、面会も禁止した。2人の国選弁護人が弁護を行った」と説明した。
家族も高氏の法廷審理について事前に知らされていない上、新たに指定された2人の国選弁護人のこともまったく知らなかったという。耿和さんは、「今年8月15日に主人が逮捕されてから本日までに、公安や検察、裁判所から如何なる書面通知と説明を受け取っていない。一審についても、まったく知らされなかった」と語った。
高顕さんも叔父の問題の解決を手助けしているとして、幾度も警察に勾留されたり、取調べを受けたりしてきた。8日では、公安局の幹部から、「それ以上本案に関与すると、辺鄙の農村に強制送還する」と脅されたという。
高氏はすでに121日間あまり勾留されているため、胡佳氏は国連人権理事会に対し、本案への介入を強く要請すると共に、国際オリンピック委員会のジャック・ロゲ会長が自ら中国での人権侵害を調査すべきと訴え、民主国家の政府や人権団体などが救援行動を行うことを呼びかけ、「高氏への人権侵害案件に関して、彼個人と家族だけが被害者ではなく、中国全体の人権状況を表している。高氏への迫害は、中国での人権運動への弾圧にあたる」と発言した。
高弁護士はこれまでにキリスト教信者や法輪功学習者など、中共政権に迫害されている人々のために抗議の声を発し続けてきた。また、今年に入り、平和抗議のためにハンスト・リレーを発起した
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