中国中流階級の抵抗=ニューズウィーク誌

2006/11/30
更新: 2006/11/30

【大紀元日本11月30日】ここ20数年間、中国の中流階級は国内の経済改革に喝采するが、中共当局の政治、言論自由及び人権などのあらゆる面の圧力に対して見て見ぬふりをしてきた。しかし最近、中流階級の中に、自分の権益が中国共産党の圧力を受ける際立ち上げて中国共産党の独裁に抵抗し始め、自分の権利を守るために勇敢に立ち向かう人たちが増えている。米誌ニューズウィーク11月27日号は、中国中流階級の当局に対する抵抗について詳細に報道した。

報道によると、中国人はこの20数年間、特に高い教育を受けた中流階級は多くの妥協の中で生きているという。彼らは中国での資本主義の経済改革に喝采するが、政治面の圧迫、及びさまざまな面の圧迫に対して見て見ぬふりをしている。中には、海外に留学して、帰国後同僚の倍ぐらいの給料を稼ぐ者もいれば、農村から脱出でき大学に入った者もいる。他にビジネスを始める者、又は専門技術を持つ者も多くいる。

しかし、このような政治に無関心な態度は永遠に続くわけにはいかない。特に、中国共産党が報道や宗教、社会問題、インターネットへの情報コントロールの強化を推し進める一方で、勇気を持って中国共産党の独裁的な政治体制に抵抗する特権階級層がだんだん多くなっている。中国の改革にはもう一つの側面があると彼らは俄然意識した。それに政治的な目的には、追求するだけの意味があるものもあると学んだ。ブログネットワーク「グローバル・ボイス・オンライン(Global Voices Online)」 の創設者の一人であるレベッカ・マッキノン氏によると、自分と他の人のブログにアクセスして意見を発表する中国の中流階級がだんだん多くなっているという。同氏は、自分のネットワークを通して中国の人たちに真相を伝え、それらの中国人が自分の政治的目標を公に言えるように努力したいと言う。

やぶ医者を暴き出した陳暁蘭

陳暁蘭(Chen Xiaolan=音訳=53歳)はそのような中流階層の一人。中国のやぶ医者及び詐欺的な治療法などを暴くことで知られている。彼女はかつて故郷の上海で評判の漢方医だったが、90年代末に彼女が、当時務めていたトップレベルの病院で効き目が全然ない薬液を患者に注射することを目撃し、この詐欺行為を暴き出したため仕事を失った。今彼女は家族から経済支援を受けて不法行為の摘発に専念している。

「不動産の不買運動」をスタートした鄒涛

中国での普遍的な汚職と腐敗に対して抗議活動を行っている金持ちも出ている。深センにゴルフ場経営を営む鄒涛氏(Zou Tao=音訳=)が4月に「不動産の不買運動」活動を展開して、日ごとに高騰する住宅の価格に対抗し、地方官僚と不動産業者が結託して決めた不当に高すぎる住宅を買わないよう呼びかけた。鄒涛氏に全国各地から10万通以上の支援の手紙が届けられたという。

夫の自由のために呼びかける曾金燕

曾金燕は、安逸と安定した生活する夢が実現できる可能性が少ないと若いころから分かった中国人の一人。去年北京人民大学経済学部を卒業した22歳の彼女は、エイズのボランティア活動に従事している時に、エイズ感染被害者を支援する活動家として知られていた胡佳氏と知り合い、二人は恋愛の末結婚した。

結婚前から、曾金燕氏は中国共産党の強硬な政治制度に直面させられた。今年32歳の胡佳氏は以前上海のエイズ会議に参加した後北京当局に拘禁された。曾金燕は夫を待つことよりも中共に抵抗することを決めた。彼女は警察側に恐喝されて行動の自由が奪われたが、直ちに胡佳氏が拘禁された情報を電子メールでエイズ活動者、海外メディア、国際人権組織などを含む数百人に送った。100日後、胡佳氏は中国共産党当局に無罪放免された。この経験は後に曾金燕氏にとって大きな影響与えた。彼女は今現在、反体制派活動家になっている。

確かに、曾金燕のような人たちの勇気が既に中国を変えた。高等な教育を受けた活動家らが物事を進める時に道理にかなっており、自分が持っている法律上の権利も熟知する。自分の権利が侵害されたら、彼らは中国共産党のいわゆる「公平で合法的な社会を造る」スローガン(法規)を利用してそれに対抗する。

ブログを武器にする呉娜

面識はなかったが、呉娜(Nina Wu、36歳)はかつて弟の拘禁事件について曾金燕に意見を求めたことがある。ドキュメンタリー映画のプロデューサーの呉皓(34)は、今年2月に中国共産党の国家安全局に逮捕され5ヶ月拘禁されてから、家族は知らせを受けていない。彼がキリスト教の秘密活動を撮影したため中国共産党当局を怒らせたと考えられる。

この事件のため、呉娜は無知なヤッピー(新階級)から人権活動家に一転した。彼女はいま長い間ずっと無視していた現実―法規の不備及び中国共産党が言論の自由に対する抑圧に直面している。公然と中国共産党を批判することがまだできないが、呉娜が勇敢にもブログに文章を発表して、中国共産党政権に対する失望、および当局がずっと彼女の詰問と訴訟を避けていることを記述した。

呉娜にとってブログは最高の武器だという。ブログを通して世界中のメディアの関心を弟の呉皓に向けることができた。その結果、弟は7月に釈放された。

その経験を通して呉娜は中国共産党に対する見方がすでに変わった。「面倒に巻き込まれてはじめてゲームのルールが分かってくる」と言って、彼女は享楽な生活を楽しんでいる楽観的な仲間たちに警告する。しかし、多くの中国人にとって、苦悩な日々に対する試練はまだ始まっていない。