武装警察千人が請願農民を駆散 信用を失う広東政府=RFA

2006/11/24
更新: 2006/11/24

【大紀元日本11月24日】広東省順徳三洲村の村民は11月8日水曜日、夜を徹して300人の高官、海外商人を包囲し、上級政府に対し、土地収用問題を徹底的に調査するよう求めた。省市の指導者が連夜現場に駆けつけ、話し合いで問題を解決すると称していたが、9日木曜日の午前、1000人もの武装警察を出動させ、村民を駆散した。ラジオ自由アジア(RFA)の丁小・記者が取材報道した。放送内容は以下の通り。

広東省順徳三洲村村民は、10月8日水曜日の夕方より、土地収用問題をめぐり、当地において新たに建設される食糧倉庫のオープニングにあたってのテープカットにやってきた政府高官や海外籍の華僑ら約300人を包囲し、一夜にわたって彼らを食糧倉庫の事務棟に閉じ込めた。

村民によると、木曜日の午前10時、千人もの武装警察が現場に駆けつけ、警棒を使用するとともに大量の催涙弾を発射し、食糧倉庫を包囲していた3000人余りの村民を駆散した。その際、7、80才の老人を含む、多くの村民が負傷した。

負傷した村民は次のように語っている:“一人は殴られて頭部を負傷し、一人は警棒で胸部を殴られて負傷しました。私は催涙弾でわきの下を火傷し、服も焼けてぼろぼろになりました。彼らは数百発の催涙弾を発射しました。武装警察は何千人もいて、碧桂路の(封鎖された)2キロの区間は、車で一杯でした。朝11時過ぎに、多数の武装警察が、あの商人らを連れていきました。彼らは、進入すると直ちに列をなし、我々老人が地面に座るとこれを踏みつけていったほか、犬を放ちました。十匹余りの狼犬でしたが、非常に恐ろしかったです。老人が地面に座ると、警察は彼らを人とはみなさず、何事もなかったかのように踏みつけて行ったのです!”

村民は抑制を続けており、事件において逮捕された者はいなかった。

記者は、順徳区、倫教街道、及び佛山市の各公安及び政府部門に電話をし、官商の閉じ込め事件について問い合わせた。得られた回答は、全て事情がわからないということであった。このうち、市公安局の職員は、“どの部門もあなたには回答しません”と語った。

順徳区政府職員は、“我々は、上からの通知を受けていません。通知はまだ発せられていません。(記者:自分の判断で言えないのですか?)それはできません。”

村民の情報提供によると、武装警察が現場に来る数時間前の木曜日の早朝4時、広東省政法委員会の秘書長、佛山市副市長の周天明、順徳区副区長の潘志文、順徳区公安分局局長の莫徳富及び副局長1名等が、食糧倉庫にやってきて村民と協議を行ったという。記者は、電話を通じて現場の状況を確認した。

ある村民は、“国家は現在お金があり、アフリカを救済しています。しかし、順徳の農村は、アフリカよりも困難な状況にあります。経済だけを見ていては、土地もなく、食べるものもない我々農民の姿は見えてきません。”

各村民代表が発言を終えると、村民は皆歓声を上げた。

現場の村民が相次いで意見の表明及び問題提起を行ったが、官員からの回答はほとんどなかった。

村民による問題提起の重点は、食糧倉庫を作るための土地収用に係る契約上の金額が1ムーあたり13万元であったのに、政府が村民に伝えた価格は、1ムーあたり3万5千元ということであった。現場における官員の回答は、“全て規定に基づいて処置した”ということであった。村民が、2、3点xun_ネ内に省庁の作業チームを、できれば中央の作業チームを三洲村に派遣し、土地収用を巡る腐敗の問題を調査するよう求め、官員は要求に応じる回答をした。

村民から1時間余りの質疑を受けた後で、官員は話す言葉を失い、ばつが悪そうに現場を離れたが、その際、当日の午後、倫教街道のオフィスで再び協議を行うことを約束した。当時現場にいた数百人の公安は官員とともに現場を去ったが、村民は、後に武装警察が出動することになるとは思いもよらなかった。

当日の午後、一部の村民は食糧倉庫の外におり、武装警察が現場を駆散する場面について議論をしていた。“あの狼犬は、人よりも大きいです。老人が警察に踏みつけられ、強制的に制止させられていました。”

彼らは、政府に信用が無いことを責めていた。村民の一人は「広東省公安庁副庁長もいましたが、彼は人ではなくて詐欺師です。一方で我々を騙し、一方で警察を派遣しています。悪魔、詐欺師です。我々は、共産党、政府官員を全く信用していません。彼らは、全てグルになっているのです」。