【大紀元日本11月4日】台湾検察当局は3日、総統府機密費の不正流用があったとして、陳水扁総統夫人の呉淑珍及び前総統府副秘書長ら4人を横領と文書偽造などの容疑で起訴した。大規模な陳水扁辞任運動を展開した民進党元主席の施明徳氏(すでに離党)が、再び台北駅に現れ、反対者に総統府前で「紅潮運動」と呼ばれる陳水扁抗議デモに参加すると呼びかけた。
起訴状によると、呉容疑者は2002年7月から今年3月の間に他人名義の領収書を利用して、総統府の機密費から約1480万台湾ドル(約5200万円)を横領したという。また、デパートの商品券購入など領収書にも、文書偽造の疑いをもたれている。第一夫人は総統在任中に起訴されるのは台湾史上初めてだという。
検察署は、陳総統の事件関与を指摘したが、憲法の規定で陳総統は起訴から免れ、退任後の起訴を検討するとした。
起訴を受け、与党・民進党は拡大中央執行委員会を開き、同日深夜、事件について謝罪するとともに、党としての立場を週明けにも説明すると発表した。
検察当局は起訴を公表後、陳水扁反対者が即赤い服を着て、再び台北駅の前に集合して勝利を祝い、4日まで駅前などで抗議デモを行った。8月から10月までの間に台湾全土を巻き込み、陳水扁辞任させる大規模な反対運動は台湾で再来した。
中国の政府メディアは、この事件に関する報道は控え目の姿勢が伺える。中国の民衆から台湾よりも遥かに深刻である共産党の腐敗を問題にして当局を踏み倒す運動に発展すると恐れていると見られている。