【大紀元日本10月20日】ワシントンポスト紙のコラムニスト、アン・アプルバウム氏は10月17日、「北朝鮮問題は中共の問題」と題した文章を発表した。アプルバウム氏は、北京側は少し前に、北朝鮮の核実験に対して「断固反対」と表明したが、真に北朝鮮を制裁するならば、北京側が平壌とのすべての貿易を断てば制裁となると指摘した。また、中国は北朝鮮と隣接していることから、北朝鮮の核兵器の脅威を真っ先に受ける相手国であり、もっとも影響を受ける国であるとし、北朝鮮の核実験問題は北京の問題であり、米国の問題ではないと主張した。
アプルバウム氏は、国連の制裁効果がなければ、北朝鮮の核実験を制止できないとみている。しかし、中国共産(中共)党なら、国連安保理のいずれの理事国よりも、より多くの方法で北朝鮮に影響を与えると示唆した。中共側の指導者が、北朝鮮政権の崩壊を望むのであれば、制裁や封鎖等の措置をしなくても、平壌に対して、エネルギーの供給、食品の輸送、貿易を一切断ち切れば、直ちに目的達成ができるとの見解を示した。
同氏は、事をもっと簡単に運ぶなら、前東ドイツ崩壊時と同様に、国境を開放し、北朝鮮難民を受け入れば良いとした。米国政府の推測によると、近年、北朝鮮難民は1万~3万人が国境を越え、中国に不法滞在しているという。また、一部の独立調査では、北朝鮮難民の数は30万人に近いという。
アプルバウム氏は、北京当局が北朝鮮難民を強制送還しなければ、もっと多くの難民が国境を越えるであろうと指摘した。しかし、一週間前に、北京当局が国境沿いに新に有刺鉄線を設置し、国境沿いの一部の住民まで撤去させたという。ある中共高官は香港の新聞社に対して、北京当局は50万人と推測される北朝鮮難民の進入を阻止しようとしているという。仮に50万人もの難民が北朝鮮を逃げ出したとすれば、金正日政権の崩壊へと導くであろうとの見方を示した。
文章では、米国は北朝鮮に対して外交のけん制ができず、貿易関係も密ではないし、共同の国境もないことを上げ、北朝鮮の核兵器は何故米国の責任になったのかと質問を投げかけた。
アップルバウム氏は、中共は北朝鮮に対してもっとも影響を与える国である以上に、仮に韓国および日本が核兵器の脅威を受けた場合、米国ではなく、中共がアジア軍備競争の中心となると指摘した。同氏は、北朝鮮が真に核兵器を使用した場合、中共側は放射線の影響を受けるに違いないとし、仮に北朝鮮のミサイルはハワイまで到達することができなくても、北京、上海および香港はミサイル発射の影響を受けるとの見解を示した。このことから、北朝鮮の核兵器はワシントンの問題ではなく、北京の問題であると結論付けた。
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