【大紀元日本8月30日】ベトナム当局は、同国建国記念日前に、監禁されている政治犯らに恩赦を与えると表明し、29日に受刑者5313人を釈放し始めた。今回の恩赦は、当局がブッシュ大統領の訪問を目前に、ベトナムの世界貿易機関(WTO)の加入について米議会の印象を良くするのがねらいと思われる。
BBCによると、釈放される予定の1人、民主活動家・范洪森氏は、4年前に米国務省が発表した民主に関連する文章を翻訳してインターネットで発表したことで、5年の刑を言い渡され、入獄させられた。家族によると、同氏現在の健康状況はよくないという。
米国およびEU連合が所持しているベトナムの政治犯リスト中、范氏が首位である。
釈放されるもう一人は、2004年に6年の刑を処されたベトナム西北部の少数民族苗族のキリスト教牧師。十日前、米国の国際宗教自由事務を担当する米ジョーン・ハンフド大使がベトナムを訪問した際、ベトナム当局に渡した解放を求める異見者リストには、同牧師の名前が載っているという。
しかし、依然と多くの異見者は解放されておらず、例えば、ベトナム共産党の評論ジャーナリスト阮武平氏。また、8月初旬、ベトナムで独立系新聞を発行する計画を立てた5人の作家も拘束され、ほかにも多くの異見者および仏教信者がいまだに拘束されているという。