デンマーク大手新聞「ユランズ・ポステン」、中国の臓器狩り事件を報道

2006/06/18
更新: 2006/06/18

【大紀元日本6月18日】デンマークの大手新聞紙「ユランズ・ポステン」は5月16日、「中国で起きている臓器狩り事件」を題にした文章が掲載された。デンマークの非政府組織「中国人権ネット」のスポークスマンであるクリストファー・ブレクナ氏が寄せたもので、中国の臓器狩りの経緯を説明しながら、その規模はナチスのユダヤ人迫害以来のものとして西欧諸国が中国との関係において経済を優先し人権問題が後回しにしている実態に言及し、西欧世界の責務を訴えた。

記事の内容は以下のとおり。

拷問および邪悪

中国では臓器移植において信じられないことが起きている。事件の残酷さから、ナチスの強制労働収容所を思い出さざるを得ないほどである。

約2ヶ月前に、元中国人記者が中国でシステム化された強制労働収容所の事実を暴露した。同記者は、臓器提供源が強制労働収容所に収監されている法輪功学習者であるため、中国での臓器移植は非常に容易となった。医師らは学習者たちが生きているままに臓器を摘出し、遺体を火葬するという。

その後、強制労働収容所に収監された法輪功学習者の眼膜摘出移植手術を行った医師の妻も証言となり告発した。

また、最近では、瀋陽の軍医が中国国内では少なくても36箇所同様な強制労働収容所があると、本人が立証した。書類による証明では、少なくても6万件の死刑囚の臓器が利用されたという。また、同事件の調査過程で、何人もの中国国内の医師が事実を認めたという。

各界からの譴責

英国医師協会は、中国に存在している巨大な臓器供給源に強い関心を寄せており、中共のこの野蛮な行為を譴責した。

中国では、臓器を提供する志願者は基本的にないといえる。しかし、多くの臓器移植センターは1週間以内に志願者提供の臓器を手配することができると明言している。一方、西側諸国では、志願者からの臓器提供は数年の待ち時間が必要とされる。

また、英国医師協会によると、死刑囚が服役期間中にすでに健診を受け、臓器が必要とされるときに摘出され、死刑囚が処決する条件の下、初めて臓器摘出が許されるとの意見を示した。

しかし、現実に、相当数の中国人の命が危険に晒されている。言い換えれば、ナチス以来、これまでになかった邪悪が今、中国で起きているのだ。

同件について、陳水扁・台湾総統は、中国へ独立調査団を派遣し、労働収容所の調査を行うべきと提案したし、国連拷問特別調査員マンフレド・ノーワク氏も同件を調査中である。

また、欧州連合のギット・シバーグ・デンマーク議員は、同委員会に対して、欧州連合は中国で起きている臓器狩り事件における立場を質問した。さらに、デンマーク人民党の対外スポークスマン、ソーン・エスーセン氏は、デンマーク議会で、外務省長官に対して、同事件に関心を寄せるよう要請した。外相はこれに対して、同件の重大性を認め、国連拷問特別調査員ノーワック氏の調査結果によって、対策を講じる姿勢を示した。

しかし、何故、西側のメディアは同惨事をこれまでに報道しなかったのか?多くの中国人は、西側社会は中国人の生命価値より、金銭的利益を重視することを思い知らされる。

西欧世界の重い責任

中国の強制労働所で起きている臓器狩り事件は、今日の世界における空前の凶悪事件である。我々は、同大量虐殺事件に対して、受身の立場のままで、それ以上に、沈黙を続けていると、我々西側諸国が今後、中国問題を踏まえて交易を行う際、例えば「ビジネスと政治の両分化」政策を提出する時、我々は良心に背き重荷を負うことになり、このような恥辱に直面できなくなるのであろう。

デンマークおよび西側政界要人やメディアは、同件に対して同様の重い責任がある、なぜなら、同件は危険に晒されている幾千万人の中国人の命とかかわっているからである。

(記者・林達)