【大紀元日本5月31日】台湾陳水扁総統の娘婿・趙建銘が25日、株のインサイダー取引に関与した容疑で台湾司法に身柄拘束された。この事件は陳水扁ファミリーの大スキャンダルとして、中共当局の陳氏に対する攻撃手と扱われ、中国国内で大々的に報道され、中国全土で熱い話題となっている。しかし、民衆の中には最近、この事件を通して逆に台湾の民主政治を称賛する声が上がっている傾向が出始め、陳氏ファミリーのスキャンダルを楽しく静観してきた中共政権は、悩み始めている。
中国大陸のインターネットサイトでは、この事件に関する、ある書き込みが大変人気を呼んでいる。「国内メディアが即時このスキャンダルを封殺すべき」という皮肉的な表現をしているこの発言の中、「陳水扁・総統は台湾でトップに立つ人だが、この総統は、自分の娘婿を庇護することすらできない。趙建銘の逮捕はむしろ台湾の民主政治を絶好に宣伝した。(大陸)国内メディアがこのスキャンダルを報道する度に、台湾の民主政治が国内の民衆の心を存分に魅了している」「俗語曰く『物を比べれば、優劣がわかる』、台湾の地で総統の娘婿だって、法律違反を犯せば、手錠をかけられ、投獄される。台湾の法律の公正公平さを、存分に表した事件だ。(大陸)国内と比較してみれば、中国の法律が引け目を感じざるを得ない」などと書き込まれている。
その書き込みが熱い反響を呼び、様々な発言が出された。「江沢民の長男・江锦恒は、米国留学から帰ってきた途端、科学院の副院長の座に着いた。それだけじゃ物足りないから、すぐに暴利をむさぼることができる(大陸)国内の電信業を握り、堂々と大富豪になった。だれか異議はあるかい」。また、「総統の娘婿・趙建銘は不幸にも司法独立、民主自由の台湾に生まれたのだ。台湾が中国に統一されていたら、陳水扁が台湾省の書紀になり、好きなことを存分にできたのに…。インサイダー取引なんて、ほんの些細なことだ」「今回のことで、独立を言い続ける陳水扁もようやく祖国統一の利点を気づいただろう。このような頑固一徹な台湾の民主政治家にも祖国という大家庭の良さと温かみが伝わったはず」といった、からかう書き込みもある。
今回のスキャンダルを暴露した台湾野党・国民党の邱毅氏は、北京大学で28日に講演予定だった。500人しか収容できない会場なのに、1000人の申し込みがあったという。ネット上で辛口の発言が続発し、熱い議論を呼んでいる中、中共側が前日に講演を中止した。邱毅氏本人は、このことについて、「北京大学の学風は国内で最も自由であるため、自分の講演は、国内民衆の反汚職ブームの火付け役になりかねない」との見解を示した。また、中共政権が邱氏に対する態度は、「愛」と「憎しみ」を同時に持ち、自分がスキャンダルを暴露し台湾与党を打撃したことで中共当局に好まれていると同時に、自分の反体制精神は中共政権に憎まれる可能性もあるという。