【大紀元日本4月23日】防衛庁はこのほど、2005年度の航空自衛隊機の対中国機緊急発進が大幅に増加したとの報告を公表した。軍事アナリストによると、中国空軍が飛行能力を向上させており、軍事情報の収集もありえるが、中国政府は、正当な防衛活動であると強調している。
防衛庁統合幕僚監部が20日に発表した「2005年度・航空自衛隊機の緊急出動に関する報告」では、中国機に対する緊急出動は107回を数え、前年比の約7倍、ロシア空軍機に対する出動229回に次ぎ第二位であった。
80年代の東西冷戦時期には、航空自衛隊の緊急出動は1000回を超えたが、冷戦終結とともに出動回数は減少、逆に中国機に対する出動回数は増加した。防衛庁統合幕僚監部の指摘では、中国の経済発展にともない、航空技術と装備が向上している証拠だという。軍事専門家の一部は、中国軍機が日本領空付近に出没するのは、中国空軍が活動範囲を拡大、現代化が加速しているためだという。
防衛庁が公表した数字によると、中国機に対する緊急発進は、2002年0回、2003年2回、2004年13回、2005年107回に急増。航空自衛隊の中国機に対する緊急出動区域は明らかにされていないものの、常識から考えて東シナ海近郊だとみられ、軍事情報の収集も含まれているもよう。軍事専門家は、中国軍機の目的を第一に航空能力の測定、第二に政治意図とみている。
日中両国は、現在東シナ海ガス田の問題で協議を重ねているが、先行きは不透明。中国外交部の秦剛スポークスマンは20日、中国軍機の日本領空付近飛行について国家の主権を維持する正当な防衛活動であると強調したが、中国軍の長期にわたる二桁増の防衛費増加に日米を始めとする各国外相閣僚から疑問の声が挙がっており、その防衛戦略を含め軍事情報のさらなる開示と透明化が求められている。