胡錦濤に抗議行動の女性記者保釈、記者会見で動機説明

2006/04/23
更新: 2006/04/23

【大紀元日本4月23日】米ホワイトハウスの前での胡錦濤国家主席の歓迎式典で、胡錦濤の法輪功迫害に抗議した大紀元の女性記者・王文怡(ワン・ウンイ)氏(47)は21日、保釈された。王氏は、法輪功学習者たちが裁判所の外で開いた記者会見で、法輪功学習者の生体から臓器摘出の事情を伝えたかったと抗議の動機を説明した。ワシントンのシンクタンクや、非政府組織の代表および人権弁護士などは、記者会見で発言、国際社会に対して、中共政権による法輪功学習者の臓器を摘出する国家犯罪を制止するよう呼びかけた。

弁護士、罪状を否定

王氏は連邦裁判所の事情聴取で、「外交公務中の胡錦濤国家主席を脅迫、威嚇、威圧した」との容疑で告訴された。王は、20日の胡錦濤国家主席の歓迎式典で、「法輪功の迫害を止めさせよう」」「中共が法輪功学習者の生体から臓器を摘出」「彼の殺人を止めさせよう」「胡錦濤、あなたに残された日はわずかだ」などを叫んだ。

代理人のペルシア弁護士は、これらの容疑は、米国憲法の言論自由を保障する第一修正案に抵触すると指摘、裁判所の陳述は、王文怡氏の容疑を証明できないと強調、「私の依頼人が胡・国家主席を恐喝または騒乱することを計画したと示す証拠がまったくない」と述べた。

ペルシア弁護士はすでに裁判所に意見書を提出し、王文怡氏の容疑を撤回するよう求めたが、ロビンソン裁判官は、この要求を却下した。

本案の審理は5月3日午前9時半に行われる予定。王文怡氏は「ホワイトハウスに近接しない」条件で保釈された。

人命を救う医師としての怒りからの行為

保釈された王文怡氏は記者会見で、心情を語った。それによると、3月はじめから2人の証人が法輪功学習者の臓器を摘出する蘇家屯・秘密収容所の存在を相次ぎ暴露したため、彼女は人命を救う医者として、極度の怒りを覚え、歓迎式典で抗議したという。王氏は、今回の行動は「まったく個人の考えであり、如何なる団体や組織とは無関係」と説明した。

大紀元時報はその日の声明で、「通常な状況で判断すれば、王文怡氏の行為は、記者として大紀元が遵守するプロフェッショナル倫理に反した。大紀元はその件について、遺憾の意を表する」とコメントした。

一方、ホワイトハウスの活動に参加するメディアの記者に身分証を交付する国家安全委員会のフレデリック.ジョーンズ報道官は、ワシントン・ポスト紙の取材で、「大紀元時報は合法な報道機構であり、大紀元記者は以前では何度もホワイトハウスの活動を報道した」と述べ、「彼らは非常にプロフェッショナルであり、彼らの参加を拒否する理由はない」と説明した。

中国での迫害を抜きにして事件は語れない

ワシントンの人権弁護士タイル・マシュ氏が記者会見の進行を担当した。彼女は、「王文怡氏と今回の出来事を議論するときに、中国で発生している法輪功への集団虐殺や、全国各地で法輪功学習者から生きたままで臓器を摘出し、体を焼却処分するなどの事実とかけ離れると、マーティン・ルーサー・キングを論じるのに、人権運動を提起しないこと、ガンジーを論じるのに、非暴力・不服従運動を言及しない、ルース・パークのことを語るのに、人種隔離を釈明しないなどと同然である」と述べ、王文怡氏の行動の背景を、中国で『真、善、忍』を修練する法輪功学習者に対する迫害と虐殺に照らし合わせるべきと指摘、「大量の直接証拠が集められ、平和かつ善良で、同情心が溢れる人々は、中国全土の労働収容所や、病院で残忍に殺害されていることを証明している。彼らの臓器は生きたままで摘出され、高値で販売されている。王文怡氏は、医学博士として、1人でも多くの命を救うことを誓ったが、中国の医者が命を救うところか、生命を殺戮している。その現状に強く怒りを覚えた王文怡氏は、今回の行動に走った」と改めて事件の背景を説明した。

記者会見で発言するタイル・マシュ人権弁護士(大紀元)

法輪功学習者はこの世で一番残虐な迫害に遭っている

ワシントンのハドション学院の「民事司法改革と国際宗教自由」の研究主任マック・オルビツ氏は、記者会見で、「私は一部のホームページのアドレスを所持している。これらのサイトは英語や、日本語で臓器移植の宣伝を行い、数千個の臓器を保有しているとアピールし、海外の移植患者を大量募集している。これは法輪功学習者が遭遇している迫害の証だ。我々部外者は最後で、彼らが世界で最も深刻な迫害を遭っていることを知らされるはず」と発言した。

記者会見で発言するマック・オルビツ研究主任(大紀元)

中共の労働収容所などを全面調査せよう

「世界人権」の執行主任ティム・クーパ氏はメディアの取材で、「米国政府は、中国の労働収容所や、秘密収容所で法輪功学習者の臓器を摘出する真相を徹底調査すべきだ。中共政権は容疑を告発されてから3週間も沈黙し続け、その後初めて国際調査を受け入れると表明した。このような監禁者を移転、証拠を隠滅する行為は、徹底的な調査の必要性とする」と分析、米国政府や、国連の拷問調査組織に対し、中国の労働収容所を全面かつ徹底的に調査するよう呼びかけ、中共政権の反人類の罪状を告訴するよう願った。

メディアの沈黙に悲しみを感じる

豪州在住の法輪功学習者・曾錚氏は、連邦裁判所の事情聴取会の後、王文怡氏の行動に理解を示した。「この迫害は七年間も続いたが、メディアは沈黙し続けている。証人が法輪功学習者から生きたままで臓器を摘出する裏幕を暴露した後も、メディアや、政府は依然沈黙し続けている。記者である王文怡氏がこのような常軌を逸する方式で、訴えに出たとき、初めてすべてのメディアがカメラを法輪功学習者に向けた。このこと自体は風刺的だ。虐殺されたたくさんの命を考えてみてください。メディアとして、政府関係者として、自分の心に問い質してください」と悲しい気持ちを表した。

 

記者会見で迫害真相を暴露する法輪功学習者(大紀元)

(記者・イーピン)