【大紀元日本3月14日】日本の麻生外相は、13日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに「日本は民主的な中国を待望する」と題する文章を発表した。日中両国の政治関係は近年冷え込み続ける中、過去20数年の間、中国では反日運動が多発し、両国の一部の政治評論家は、中国の反日感情は中国国内の政治問題の反映だと分析している。一方、麻生外相は、文章の中で中国の急激な軍事力増大を指摘し、中共の不透明な国防支出の完全公開を求めた。
米国VOAの報道によると、麻生外相は文章の中で、中国に対し友好かつ前向きな見方をしていると語り、中国と日本の経済関係が空前に密接するなか、中国大陸と香港はすでに日本の史上最大のビジネスパートナーとなり、時間の推移につれ、両国の依存関係はさらに深まっていくと示した。
さらに麻生外相は「中国が自由、民主の国家に変わることさえ実現できれば、東アジアの舞台の中心に戻ることを歓迎する」と述べ、中国の自由民主国家への発展を確信すると示した。
1970年代日中両国が国交正常化してから、中国では反日運動が多発してきた。評論家は、近年日中両国の経済関係が密接に発展するにつれ、中国民衆の反日感情もさらに高まり続けていると指摘した。
それと同時に、中共政権は日本が侵略戦争の被害者である近隣諸国の国民感情を無視し、小泉首相が靖国神社を参拝するのを厳しく非難しているが、それに対し日本政府は、参拝は戦争犠牲者を追悼し、平和を祈るためであると主張している。
一方、両国の評論界において、中国国民の反日感情は一党独裁で言論自由がない中国国内の政治問題を反映しているとの見方がある。一部の評論家は、今の中国では民衆に与えられた言論表現の自由の範囲は、サッカ競技や反日問題などの極限定されている分野に限ると分析している。
今回、麻生外相が米紙で公表した文章のなかで、中国の自由民主発展を待望すると発言したことは、中共政権への間接的かつ意味深な批判だと受け止める意見も聞かれている。
また麻生外相は日米安全同盟について、両国の同盟関係は極めて透明で、アジア地区の安定保障であると説明した。さらに過去十年間において中国の国防支出が2倍も増加したことを指摘、透明度の低い中国の国防費の完全公開を求めた。