【大紀元日本3月5日】政治予言小説「黄禍」の著者で中国人ベストセラー作家・王力雄氏は、台湾で開かれた新書発表会で、中台関係と中国の民主化問題について見解を述べた。王氏は、「台湾の経験から、中国でも流血せずに権力移行することが可能」と述べ、台湾は中国民主化発展の過程において、重要な役割を果たせると示した。一方台湾のベテランジャーナリスト・楊憲宏氏は、台湾人が中国の民主、自由、発展に関心をもつべきであると主張し、与野党は中国の民主活動家に政治庇護を提供することに共通の認識をもっていると明かした。
王力雄氏は今回出版社の招きを受け、夫人(チベット族の作家)の三冊の著書と自作「民主を推進」の新書発表会に参加するため台湾を訪れた。
チベット問題を解決する大前提は、中国で民主化が実現されることである
王力雄氏は、インドに亡命したチベット指導者・ダライラマと四回ほど会談し、自らもチベット人女性と結婚している。王氏は、チベット亡命政府は善意を持って中共政権との話し合いに望んでいると述べ、チベット民族に自治権を与え、その文化、信仰および生活方式を保存すべきと主張した。しかし王氏は、「中国自身、いまだ民主を有しておらず、中国国民すら自治権と人権保障が与えられていないのに、チベットがそれに先駆けてこのような特権を獲得する可能性はない」と、あらためてチベット独立が困難であることを示した。
台湾問題は中国人の意識の中で、最も敏感な部分である
王氏は、現在の中国人がすでに中国共産党の思想理論をまったく信用しておらず、政府は形骸化してしまったが、「台湾問題」と「国家統一」はいまだに受け入れられており、中国人の意識において、最も敏感な部分であると語った。
中共政権はこのような民族主義の思想を巧みに煽り、台湾に対して度々、武力攻撃の可能性を示唆していると王氏は指摘し、「これが一種の現実であると認識すべき」と提言した。
「中国国民が中共に対する信条を無くした今、中共政権が民衆の心を結束できる唯一の手段は『民族主義』であり、中共は巧みにこの手段を利用している。もし台湾が独立・発展を早め、堅持すれば、中共政権は『民族主義』という大義名分を掲げ、国民が長年蓄積してきた不満を台湾に向けて発散させるよう仕向け、国家統一の名の下に台湾を武力攻撃する可能性が高い」と王氏は分析した。
台湾は中国の民主化発展に重要な役割を果たす
王氏は2000年の台湾総統選挙を例に挙げ、中国も流血せずに、平和的な政権交代が実現できると期待の言葉を述べた。
さらに王氏は「中国の民主化発展の過程で、『台湾社会の安定のために、中国の民主化が実現された後に、中台問題を論じる』という姿勢を明確にすれば、中国の民主化実現に重要な役割を果たす上、中共政権による武力攻撃も避けられる」と指摘した。
台湾のベテランジャーナリスト・楊憲宏氏は、過去十数年の間、圧政に苦しむ中国民衆の生活に関心を示し、同氏が製作と司会を担当するラジオ番組では、頻繁に中国の民主活動家たちに関する番組を放送してきた。
楊氏は台湾の民主化経験を分析し、他人の不自由を自分の不自由と理解する「人性」や、「民主」以外に、「自由」を強調した。「人民は自由意志で選択することが重要だ。なぜならば、民主は操縦できるものであるからだ」と見識を述べた。
さらに楊氏は台湾政府に対し、「両岸政策について論じる時、中国を『13億人の市場』とみるだけでなく、13億人の自分たちと同様な「人間」がいると認識すべきだ」と提言した。
総統府の人権諮問委員会大陸チームの招集人でもある楊氏は、同委員会がすでに立法院の与野党議員と議論を交わし、毎年中国の民主決議書を作成することを計画し、政治庇護を求める中国民主活動家を支援するという共通の認識に達したと明かした。楊氏は中国において、公正な裁判を受けられないまま投獄された600人以上の中国人リストを所持しているという。
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