【大紀元日本2月15日】「国境なき記者団」は9日、ヤフーが2003年当時、ある民主活動家が送信した電子メール内容を中国当局に漏洩、結果送信者に懲役8年の判決が下されたと発表した。中国四川省達州市の元財政局員・李智氏は2003年に懲役8年を言い渡された。罪科は中国民主党の加入申請したこと、インターネット上で個人のホーム・ページを作成して、敵対的思想を宣伝し、中国民主党に加入教唆して国家転覆を目論んだなど。VOAによると、李氏の弁護士は「ヤフー香港現地法人が、2003年8月1日に李氏の登録情報と電子メールを公安に提供した」と弁護陳述した。弁護士は、ヤフーが提供した資料を開陳するよう申し立てたが、許可されなかったという。
UPI通信社の報道によると、カリフォニア州・ヤフー本社は、「事情を確認できるまでノーコメント」と述べ、「ヤフー香港は中国大陸の李氏の情報を持っているはずがなく、中国政府へ情報を提供したこともない」と否定し、「会社は中国現地の提携先が情報提供したかどうかを調査する」と発言した。ヤフーの中国現地提携先「アリババ」のスポークマンは、「2003年のことはよく分からない。その時はまだヤフーと提携がなかった」と述べた。
パリに本部を置く「国境なき記者団」は9日に声明文を発表し、海外の中国語ネット「博訊」で李氏の弁護陳述を確認したと説明、ヤフー側に提供した情報を公開するよう呼びかけ、「ヤフーは定期的に中国公安と協力している」と非難している。「国境なき記者団」の責任者、ジュリアン・パン氏は、「ヤフー側は中国当局の個人情報収集について目的不明とし、中国の提携先に責任を押しつけるのは納得できないと言っている」「師涛氏1人の案件ならまだ理解できるが、ヤフーが長期的に中国側に情報を提供していることが発覚した」「インターネット上では、個人情報の検索が容易で、当局に資料を提供していたに違いない。人権に関心がなく、道徳的責任に欠ける」と譴責した。
米国は15日、ヤフー,マイクロソフト,グーグルなどのネット・サーバー会社に対し、中国での運営状況について公聴会を開き、ネット・サーバー会社が中国でいかに中国の法律に協力し、ネット利用者の言論自由と衝突しているかについて諮問する。
ジュリアン氏は、「米国下院は公聴会を開き、米国のネット会社は全社証言し、中国での運営状況を説明しなければならない。特にヤフーは、最もだめな会社であると思う」と述べた。
弁護陳述をネット掲載したのは四川省の活動家・_deng_永亮氏である。掲載理由について_deng_氏は、「理由は二つ。一つは、ヤフーが中国政府に協力して活動家たちを弾圧していること。師涛さんは1人目ではなく、最後の人でもない。ヤフーは数年前から中国政府と協力し始め、当局はこの情報を隠蔽している。ヤフーは中国民主運動を弾圧する最悪な勢力となっている。欧米企業は皆買収された可能性があり、どの電子メールが安全なのかは判断し難い」と説明した。
四川省の活動家・許万平氏も電子メールを証拠とされ、「国家政権転覆罪」で懲役12年を宣告された。_deng_氏は、ヤフーが情報を提供した可能性が大きいとみている。そのほか、_deng_氏も類似的な経験を持っている。「以前、私がヤフーを利用していた時、政府も私のメール内容をチェックしていました。当時、許氏の案件で私も呼び出され、自身忘れていたメールを、当局は全部朗読した」と、_deng_氏が明かした。
昨年、ヤフーが中国政府に情報提供したことで、「湖南省当代商報」の編集者・師涛氏が「国家機密漏洩罪」で懲罰10年を宣告され、その件で、ヤフーは人権組織の譴責を招いた。UPI通信社の報道によると、カリフォニア州・ヤフー本社のスポークマンは、「師涛氏の件に対して、遺憾の意を表する。当時、中国政府からある通告を受けたが、何の説明もなかった。ヤフー側はかしこまって、ただ支持に従った。中国側は何の説明もしないのが普通」「中国にいる限り、ほかの国も同じが、法務執行当局に情報を提供するかどうかの問題に対し選択はできない。選択できるのはただ一つ、それはこの国に生き残るかどうか」と強調した。
「国境無き記者団」によると、中国は現在、インターネット上で中国政府を批判した容疑で、ネット活動家49名と記者32名を摘発・拘禁している。