【大紀元日本1月30日】2010年の上海万国博覧会会場の建設で、現地政府は昨年から、予定地とされる浦東、黄浦および盧湾の3地区の2万戸住民に対して立ち退きを強行している。陳情に出かけた住民らは政府当局に拘束され、また、住民らが立ち退きに快く協力する当局の捏造報道に対して、住民らの不満が募る一方だ。
ラジオ自由アジア(RFA)によると、本拠地はニューヨークにある人権擁護団体「中国人権」の発表によると、中共当局は2005年より、上海市の上述3地区計6万平方キロメートルにわたる地域の住民らに対して、大規模の立ち退きを強行した。同地区の万博会場としての使用は6ヶ月の期間限定であるという。
昨年11月16日、上海市政府側スポークスマン焦揚(ジォー・ヤン)氏は記者会見で、立ち退きは法律に従い、規律正しく管理するが住民らの意思を尊重すると示したが、一方、黄浦区建築土地管理局は、住民に対し、期限内に強制的に立ち退きせずに、政府側の規定に反する者は、万博に反対し反政府的行為と見なす厳しい公告を発表した。
また、焦氏は、住民らの意見を受け入れ、住民らの要求に対して直ちに対処できるよう、「信訪ネット」を設置したと示したが、立ち退きを強制された住民・韓忠明さんによると、立ち退きの件で陳情した際に、当局に「公共秩序を乱す」の拘留されたという。韓さんの弟は立ち退き工事を阻止したために、ひどく殴打され身体障害者になり、韓さんもすでに4度目の拘束であった。韓さんには、病床に伏す弟と老母がいるが、新年を迎えても家族団らんができず、強制立ち退きにより離れ離れになった妻を思い、途方に暮れてしまったという。
同地区の住民・任佩芬さんは25日、RFAのインタビューに対して、当局は200人ほどの人を出動させて、立ち退きを強行したという。任さんの家屋が壊されると同時に、多くの家具や家財も彼らに盗られたという。近所の家も強制的に立ち退きされた際、公安の者を含む150~200人が常時押し入り、多くの警察の車、工事車両などが勢ぞろいしたと語った。
盧湾区の住民・陳暁明さんは、政府当局は住民らが立ち退きに協力する様子を自作自演し、地元の新聞で大々的に宣伝したと示した。陳さんは立ち退き工事会社の向かい側に住んでおり、地元の人とやらせの人とは簡単に区別ができると訴え、地方から出稼ぎに来た者や清掃者らが、政府当局から100~200元の日給で演じているのだと事実を明らかにした。
万博のスローガンは「都市、より良い暮らし」であるが、そのために一部の住民の利益を損害してしまった。有識者らは、万国博覧会を開催することは住民に不利益を被らせ、政府による自画自賛の政治業績であると強く批判した。
日本の愛知万博では昨年、中国館が法輪功関係のロゴ入りTシャツを着ているというだけで法輪功愛好者の入館を拒否するトラブルを起こした。中共政権が中国国内で取り締まり、迫害している法輪功に敏感に反応したものとみられているが、万博委員会が中国館側の入館拒否に協力したことで、法輪功関係者らは、中共政権の人権侵害が海外にも及んだ事件であると日本社会へ訴えた。
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