【大紀元日本1月12日】米シンクタンク地球政策研究所はこのほど、ワシントンで記者会見を開き、ライスト・ブラウン氏の新しい著作「B2・0計画」を紹介した。
記者会見会場(大紀元)
ブラウン氏は1974年に世界観察研究所を創設し、世界環境問題の分析を行っている。1984年、自ら創刊した「世界の現状」の年度報告はすでに30数カ国の言語に翻訳され、世界環境運動のバイブルと呼ばれている。また、ワシントン・ポスト紙はブラウン氏を「世界でもっとも影響力のある思想家」と高く評価した。
ブラウン氏は新しい著作で、中国経済は世界エネルギーおよび原料のブラック・ホールになるとし、世界経済の制御に困難をきたす大きな影響を与えると指摘した。
目下のところ中国は米国を越え、世界最大消費国となった。穀物類、肉類、石炭、鋼鉄および石油など5つの基本物資消費において、石油を除き、すべての消費は米国を抜いているとブラウン氏は示した。
ブラウン氏は、中国で一人当たりの平均消費量が米国と同量に達した際、地球は重荷に耐えられなくなると指摘した。現在の発展速度で計算すれば、2031年に中国における紙の消費量は現在の世界の紙消費総量の倍となり、世界のすべての森林が消えてしまうと分析した。また、3/4の中国人が車を所持しているとすれば、中国には11億台の車があることになり、現在の稲作地区もすべて道路と化し、毎日の石油の消費量が9900万バレルになる計算。しかし、現在の石油世界総生産量はわずか8400万バレルしかないとし、これ以上の増産も不可能だと示した。
昨年3月にブラウン氏が北京大学で講演を行った際、中国の人口数量は土地の負荷を超えており、資源が極めて不足し、環境の許容量が極めて小さい状況下で、中国が依然として過剰消費、厳しい汚染を起こす経済発展の方式を取り続ければ、自然資源を脅かすと同時に環境を破滅させることになることを指摘した。さらに、地下水源が枯れる問題は石油の枯渇も非常に深刻であるとし、石油に代わるものはあっても、水に代わるものはないと示した。
ブラウン氏は、多くの中国人が環境問題に関心を寄せ始めており、特に空気および水の汚染問題については、限りある時間内で改善措置を練りだせるかどうかが肝心であるとした。ブラウン氏は、中共政権も環境問題の重要性を認識したとし、中共は、東ヨーロッパの政治変革のきっかけはまさに環境保護団体から始まったと理解していると述べた。
中国が現在直面している問題は二つあるとブラウン氏は言う。一つは、経済システムによる環境問題で、もう一つは民衆に個人の自由が欠けている政治問題だと指摘した。ブラウン氏は、中共政権がこれらの問題をどう処理するかによって中国の未来に大きく影響を及ぼすと示した。
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