【大紀元日本1月11日】中国衛生部は9日夜、湖南省桂陽県の男児(6)が鳥インフルエンザのH5N1ウィルスに感染したと発表した。これまで当局が公開した8人目の人感染例。男児は去年12月24日に発病し、高熱や呼吸道感染の症状だった。発病から情報公開まで2、3週間かかるという鳥インフルエンザ情報公開の現状に、近隣する香港の政治と医療関係者は憂慮を示している。情報公開の遅れは、中国衛生部が世界保健機構(WHO)の基準と異なるウィルス検査方法を使っているためで、早期発見を逃していると香港の専門家らは指摘している。
昨年12月、北京で考察した香港衛生署の化学分析専門家・林薇玲氏は、「経済日報」の取材で「大陸で鳥インフルエンザ患者の感染の確定は、最大3、4週間かかる。それに香港で感染確実を判断されるケースも、中国大陸では未感染と認定される可能性が高い」と紹介、中国大陸での感染の早期発見を見逃す欠点があると指摘した。WHOの基準では、認定された実験室2ヶ所においてPCR高速測定方法で患者のウィルスが陽性反応を出した場合、感染を確定すると定められているが、中国衛生部はウィルスの分離測定と抗体測定を要求しているため、検査結果が最大14日間も遅れるという。
9日開かれた香港立法会の衛生事務委員会会議で、多くの議員は中国衛生部の検査方法は情報公開の遅れに繋ぎ、大陸に近隣する香港人が深刻な被害を受けると予想し、中共政権に感染疑い例も通告するよう要求すべきと提案した。民主党の李華明議員は「中国と香港の往来が非常に頻繁で、いまの現状では伝染が香港に上陸しても、我々はまだ知らない可能性はある」と述べた。
医学界の郭家麒議員は、「伝染病は中国では『機密』とされ、SARS大流行と同様に、機密が多ければ多いほど、伝染の蔓延も加速する」と指摘、中共政権に対し、情報公開の透明度を増強するよう希望を寄せた。
議員らの提議に対し、香港衛生防護センター総監・梁柏賢氏は、「中国当局と話し合いをし、感染が確定した案例だけではなく、疑い例も通報範囲に編入するよう求めていく」と示しながらも、実現には困難があると認め、香港政府は政府ルートでの通報に頼る一方、メディアなどの非政府ルートの情報も注意深くみていくと表明した。
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