【大紀元日本12月5日】今年10月に中国農業部に安徽省天長市の鳥インフルエンザ発生を通報した件で、江蘇省高郵市村民が11月24日、公安部門関係者により逮捕された。鳥インフルエンザの発生による社会不安を背景に、本来功労表彰されるべき通報者の逮捕に中国全国の民衆が強い関心を寄せている。
中国国内メディアの報道によれば、10月中旬に江蘇省高郵市村民・喬松挙氏が、安徽省にいる父親の友人・馬正朝氏から飼育したガチョウが病気に感染したため、江蘇省へ早く売り飛ばしたいと相談の電話を受けた。喬氏は馬氏に忠告してやめさせ、農業部へ鳥インフルエンザの発生を通報した。
しかし、通報から二日後、喬氏は高郵市公安部門関係者に取り調べられた。喬氏は公安部の者に、農業部からどれくらいの報酬を受け取ったかと尋問され、鳥インフルエンザ発生の通報をすると悪い結果をもたらすと脅かされた。喬氏は、農業部からも誰からも一切お金は受け取っていないと主張した。
そして、11月24日夜、喬氏は地元の警察官に再び呼び出された。翌日、高郵市公安局より喬氏に対して、恐喝・詐欺の罪で刑事拘留との通知書が自宅へ送られた。
喬氏の弁護士によれば、喬氏は2003年に揚州のあるワクチンメーカーへ家禽の胚胎を販売した際、同ワクチンメーカーがワクチン商品の支払いを相殺した。ガチョウ飼育農家である喬氏の父親は当時、同ワクチンを使用したが、ワクチンの異常を発見し、関係部門に通報した。のち、同ワクチンメーカーより喬氏に対して2万元の賠償金で事件が収まった。
農業部は喬氏から鳥インフルエンザの通報を受けたことに対して否定していないが、喬氏に対して表彰し奨励することもしなかった。また、地方の政府職員らは、農業部へ通報したのは政府職員であると主張しているという。しかし、『時代人物週刊』の報道によれば、農業部調査グループが安徽省に到着した夜、天長市職員は馬氏に対して、なぜ農業部に通報したのかと厳しく尋問し、さらに、馬氏に金を渡す条件で直ちに天長市を離れるよう要求したという。
南方都市報の社説によれば、同事件は報復であることを主張する人はいないが、事件原因の推測は容易であるという。
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