抗インフルエンザ薬・タミフル、異常行動の副作用か

2005/11/14
更新: 2005/11/14

【大紀元日本11月14日】抗インフルエンザ薬タミフルを服用した中高生に異常行動が起き死亡したケースについて、厚生労働省は、「タミフルの服用と死亡に至った因果関係ははっきりしないが、異常が認められた場合は十分に観察してほしい」と注意を呼びかけるとともに、異常行動について調査を行っているという。鳥インフルエンザの世界範囲の蔓延対策として、世界各国がタミフルの備蓄を積極的に準備しており、日本政府も2500万人が感染した場合に備え、2億5千万のカプセルの備蓄を計画しているという。VOA放送が伝えた。

厚生労働省は「異常行動の結果、事故死する可能性もある」とし、過去4年間64人の精神異常例はタミフルの服用との関連は否定できないとする一方、インフルエンザがきっかけで起きる脳炎・脳症でも異常行動が出ることがあるという見方もしている。

NPO法人「医薬ビジランスセンター」の浜六郎理事長(60)は12日、津市で開かれた日本小児感染症学会で、過去三年間、2歳から7歳の8人の死亡した児童に対する調査の結果、タミフルの副作用であると報告した。浜六郎医師は、タミフルおよび安定剤、鎮静剤または睡眠薬の類似薬品は、中枢神経制御不能による異常行動をきたすと話した。また、タミフルのような新薬に対して、幻覚や異常行動は高熱によるものだと業界の認識は誤っていると指摘した。

浜医師の調査によれば、抗インフルエンザ薬タミフルを服用した17歳の少年は異常をきたし、吹雪の中へ走り出し、大型トラックに飛び込んで死亡。また、14歳の少年はタミフルを服用後、9階から飛び降りて死亡した。医者からは二人ともに服用前には精神的異常はなかったという。

厚労省は昨年6月に「医薬品・医療用具等安全性情報」を出し注意を呼びかけた。注意書きに副作用として異常行動を盛り込むことを指示したという。

浜医師によると、厚生労働省の昨年の注意がマスコミに報道されなかったため、人から注目されず、医療界自体も重視しなかったという。

輸入販売元の中外製薬によると、同社は厚生労働省に二人の青少年の死亡ケースを報告した。

製造元であるスイス・ロシュ社は13日の発表では、タミフルは良好かつ安全な作用を持っているとした。