【大紀元日本9月20日】オーストラリアに亡命した元中国外交官の陳用林氏はこのほど、シドニーにおける華人らとの座談会の席上で、中共政府が海外の華人社会に「魔の手」を伸ばし、オーストラリアなどの国々に「懐柔・篭絡」戦略を用いているという事実を明らかにした。
陳氏によると「70年代の毛沢東賛歌から始まり、80年代の華国鋒の『葡萄棚の下で』、90年代の江沢民の『黄山に登り感動する』などの出鱈目なものが小学生の教科書に掲載され、節をつけて歌になり、幼い頃より独裁者への恐怖心が刷り込まれています。これこそ“愚民政策”です」。
「中共が自ら発表した数字によると、2003年には中国国内で5万8千件の騒乱事件があり、2004年には全国で6万件を超え10万人が暴動を起こしました。国民の不満は高まる一方で、爆発寸前です」
「中共は『反日感情』を利用して中国国民を煽り、国内の矛盾を外に転移させ、政権を維持しようと目論んでいます。国民はそれに煽られて反日運動を行ったのですが、統制がきかなくなっている事実に気がついた中共は、『新64運動』が発生することを恐れ、反日デモを許可しなくなりました。シドニーの中国総領事館も、オーストラリア在住の中国人が日本の国連安保理入りに対して過激に反応しないよう指示を受けました。海外でのデモ活動が本国にも波及することを恐れたのです」
「オーストラリアの華人社会は約50万人余りで構成され、ここが中国政府の目の付け所です。これらの華人はオーストラリアの自由と民主を享受しながら、一方で米国のイラク開戦時には気兼ねなくオーストラリア政府を批判しました。しかし中国の要人が来ると、大陸との商売が念頭に立って懐柔されてしまうのです。これは華人が『金の為には人道を忘れる』ということで、まるで海外の華人社会に二つの政府が存在しているかのようです」
「これまで中共は、オーストラリアに対して一貫して『懐柔・篭絡』戦略をとってきました。99年の江沢民訪問を皮切りに、李鵬、胡錦涛、呉邦国といった中国の上層部が訪問するたびに、『利権と癒着』によって『経済』『人権』『政治』『法輪功』などの問題で妥協を迫りました」
「最近、オーストラリアのダウナー外相が、法輪功学習者らがキャンベラ中国大使館前で横断幕や拡声器の使用を禁止することに署名したことにより提訴されました。これは、2003年の唐家セン元中国外相のオーストラリア訪問の前日のことで、唐外相は、オーストラリアとの天然ガスの大口契約を準備していたのです。当時、オーストラリア経済自体が後退気味であったために、中国要人との自由貿易協定の話は妥協の材料となりました」
「中共は、オーストラリア政府と自由貿易について話を進めていますが、自国の農民の利益、一般国民の利益を代表していません。却って、彼らの利益を犠牲にしてまで、自らの権力基盤を固めようとしているのです」
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