【大紀元日本8月17日】北京情報筋の話として、中国国務院総理・温家宝は、医療費の上昇、医療改革の失敗によって批判の的となり、政治ライバルの非難を受けている。中央社が伝えた。
報道によると、中国は、20年余りの経済改革を進める中で、民衆に対するゆりかごから墓場までの医療福祉を既に行っていない。2000年当時、資金不足の中国政府は、医療機関の改革を推し進め、病院を営利機関と非営利機関に分けるとともに、医療補助を削減した。これにより、中国の8億の農民の絶対多数が医療保険の適用を受けられない状態となった。
医療改革がもたらした争議はますます激しくなっている。医療費が大幅に上昇したことから、“看病難看病貴(病気の治療が難しく、かつ高い)”は、民衆の苦境の原因となっている。統計によると、約48.9%の住民が病気になっても医者にかからず、29.6%が入院すべきなのに入院していない。
先日、福建省で肺がんを患った42歳の農民が、治療費がないことに絶望し、公共バスで爆弾自殺を図り、多くの市民を巻き添えにするという事件があった。貧しい者が治療を受けられないという深刻な社会問題をあらためて浮き彫りにした悲惨な事件だった。
温家宝は、2003年に総理の座を引き継いだが、その後医療、教育、住宅費用の大幅な上昇を許し、また株式市場が大幅に下落したことを理由に、政治ライバルからの非難を受けている。しかし温家宝陣営は、これらの問題は前政権が残していった課題であると主張している。ロイターの報道によると、温家宝は上述の問題で批判を受けてはいるが、専門家たちは、現在のところ温家宝の地位は安定していると見ている。
温家宝は、先日主催した国務院常務会議において、新型の農村合作医療制度の創設を急ぐよう指示を出した。会議では、新型農村合作医療制度のテストを行う県・市区について、現在の全国21%を、40%までに拡大すること、中央及び地方財政による支援を強化することが求められた。
また、会議では、合作医療に参加した農民に対する中央からの補助の基準として、現在の1人1年あたり10元をベースに、更に10元増加させることや、中西部の農業人口が多数を占める市直轄区及びテストに参加することが困難な東部の一部の県・市を中央財政の補助範囲に組み入れることが検討された。地方財政もそれに応じて補助を増加することが必要であり、農民の納付水準を引き上げず、農民負担を増加させないことが政策の主眼となっている。
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