ヒガンバナ(彼岸花)は中国では石蒜(セキサン)、曼珠沙華(マンジュシャゲ )と呼ばれます。秋分の日の前後7日間を秋の彼岸と言いますが、ヒガンバナは見事にこの時期に合わせ、花を咲かせます。日本でよく見られる赤いヒガンバナは三倍体植物で、遺伝的に種子が出来ない品種です。しかし種子ができることも稀にあり、記者も見つけたことがあります。種子から芽が出る可能性は低く、発芽率が良くありません。多くのヒガンバナは、親と同じ遺伝子を持つ鱗茎の分裂によって株を増やし続けてきたのでしょう。
2015/10/21
キキョウ科のツリガネニンジン(釣鐘人参)やトウシャジン(唐沙参)の根は、南沙参(なんしゃじん)として漢方薬に用いられます。これらの根にはイヌリンやサポニンといった成分が含まれており、気管や気管支に溜まった痰の除去や、咳を鎮める作用があります。補陰(滋潤)作用もあるため、麦門冬(ジャノヒゲの根)や玉竹(アマドコロの根)などとともに益胃湯(えきいとう)に配剤され、脱水傾向の口渇や咳の症状に用いられることも多い薬草です。また、慢性肝炎などで喉が渇いたり皮膚が乾燥したりする場合には、地黄(じおう)や川楝子(せんれ
2015/09/19
夜になると向かい合う羽状の葉が閉じ合わさることから、「眠る木」または「寝る木」という意味で名付けられたネムノキ。中国では合歓樹(ごうかんじゅ)と呼ばれるマメ科の落葉高木で、梅雨の時期にはピンク色の穂状の花(雄しべの集合花)を樹上に咲かせます。この花を集めて乾燥させたものを合歓花(ごうかんか)と言い、漢方では不安や不眠を改善するための処方に配剤されます。樹皮にはサポニンやタンニンの他に、子宮収縮作用のある成分の含有も報告されており、樹皮を煎じて患部にあてる湿布療法には打撲による痛みを緩和する効果があります
2015/09/11