米上院で「法輪功保護法案」可決 弁護士「中共への大きな抑止力に」

2026/10/01
更新: 2026/10/01

米上院はこのほど、中国共産党政権による臓器収奪に関与・加担した人物に制裁を科す「法輪功および臓器収奪の被害者のための保護法案(Falun Gong and Victims of Forced Organ Harvesting Protection Act)」を全会一致で可決した。

法案は共和党のテッド・クルーズ上院議員と民主党のジェフ・マークリー上院議員が共同提出したもので、法輪功学習者だけでなく、中国での臓器収奪の被害者全般を保護対象としている。

法案は今年3月5日、クルーズ氏とマークリー氏によって提出された。その後、超党派の上院議員11人が共同提案者に加わった。7月には上院外交委員会で修正案が承認され、上院本会議での審議に進んでいた。

法案は、中国で臓器収奪に故意に、直接関与した、または加担した人物を対象に、米国内にある資産の凍結や、米国への入国・ビザの制限などの制裁を科すよう定めている。対象者のビザや入国資格などを取り消すことも可能になる。

臓器収奪とは、脅迫や誘拐、だまし、詐欺、権力の乱用などによって本人の意思に反して臓器を摘出する行為を指すと定義した。法案は、中国当局から標的にされた人々について、臓器収奪が行われているとの懸念が国際的に示されてきたとしている。

また、米政府に対し、中国における臓器移植政策や実態について調査・報告するよう求めている。国務長官は、厚生長官や情報機関などと協議した上で、中国の臓器移植制度や臓器の調達元、年間の移植件数などについて議会に報告することになる。

法案では、成立・発効から180日以内に、米大統領が中国での臓器収奪に故意に、直接関与した、または加担したと判断する外国人のリストを作成し、議会に提出するよう定めている。その後も新たな情報が得られた場合などにリストを更新する。

クルーズ氏は上院での可決を受け、「中国共産党(中共)は国家が関与する臓器摘出を通じ、法輪功学習者を標的にし続けている」と指摘。「こうした行為は信教の自由と基本的人権に対する侵害だ」と述べた。さらに、下院に対し法案を可決し、大統領に送付するよう呼び掛けた。

一方、共同提案者のマークリー氏は、中国における人権侵害について「脆弱な立場にある集団から臓器が強制的に摘出されているとの報告がある」と語り、被害者を救済し、中国政府の責任を問うための取り組みだと述べた。

国際人権NGO「法輪功迫害追跡調査国際組織(WOIPFG)」の代表、汪志遠氏は、今回の法案について「法案という形で、中共による臓器収奪が実際に存在することを確認した」と話した。同氏は、同組織が約20年にわたって行ってきた調査を根拠に、「大量の証拠があり、中共が主導する国家的な集団犯罪だ」と述べた。

また、海外人権派弁護士連盟の責任者である呉紹平氏は、米国について「信教の自由と人権保護の提唱において、国際社会を主導する存在だ」と述べた。その上で、法案が下院を通過し、大統領の署名を経て成立すれば、「法輪功を迫害している中共の当局者らに対して、大きな抑止力になる」との見方を示した。

今回の法案の特徴は、保護の対象を法輪功学習者に限定せず、中国における臓器収奪の被害者全般に広げている点にある。法案は、法輪功学習者のほか、「良心の囚人」などを含む被害者についても、臓器収奪をめぐる調査・報告の対象としている。

米下院ではこれまでにも、臓器収奪をめぐる法案や法輪功保護法案が提出・可決されている。今回、上院を通過した法案は、今後下院で審議されることになる。

米国では、法案が上下両院で可決された後、大統領に送付され、署名されれば法律として成立する。

新唐人