中国共産党(中共)党首の習近平の訪米を前に、米国の複数都市で米政府に抗議する街頭デモが行われた。米議員からは、中共がこうした状況を利用し、米国が混乱に陥っているとの印象をつくり出す可能性があるとの警告が出ている。
FOXニュースによると、親中共的な立場を取るテクノロジー業界の富豪ネビル・ロイ・シンガム氏が資金提供する親中派組織のネットワークが活発に活動している。ニューヨークからテキサス州オースティンまで、多くの人々が街頭に繰り出し、騒乱が広がっているかのような光景が生じているという。
9月21日、シンガム氏の妻ジョディ・エバンス氏は、特徴的な赤紫色の麦わら帽子をかぶり、ニューヨーク東47丁目の国連本部向かいで抗議活動に参加した。エバンス氏は、自身とシンガム氏が共同設立した極左の非営利団体「コード・ピンク」のメンバーと並んで活動していた。
同ネットワークが1週間にわたって展開した一連の活動では、参加者が米軍を非難した後、米AI企業OpenAIの事務所まで行進し、同社のデータセンターに抗議した。
こうした活動が組織的に行われていることに加え、参加者が米政府を厳しく非難する一方、中共による人権侵害や環境問題、市民の自由を巡る状況には一切触れていないことから、米議員の間では、活動家らが中共など外国の敵対勢力の「トロイの木馬」として機能しているのではないかとの疑問が出ている。
エバンス氏は最近、中共政府を称賛する動画を公開した。シンガム氏も2025年、中国で演説し、中共と習近平が掲げる「新世界秩序」への支持を表明した。
米下院歳入委員長を務める共和党のジェイソン・スミス下院議員(ミズーリ州)はFOXニュースに、「米国民は、これが単なる自然発生的な運動ではないことを知る必要がある。この種の活動のあらゆる側面について、透明性をさらに高めなければならない」と語った。
米下院の「中国共産党に関する特別委員会」委員長を務める共和党のジョン・ムーレナー下院議員(ミシガン州)は、同ネットワークが掲げる草の根運動というイメージが、背後にある潤沢な資金支援を覆い隠していると指摘した。
同氏は、これらの抗議活動について、参加団体が「公然と米国の利益に反対している」ことから、「外国による米国への悪意ある影響に関する深刻な懸念を引き起こしている」と述べた。
抗議活動はそれぞれ独立しているように見え、移民、気候変動、人工知能、軍国主義、イスラエルなど、異なる問題を扱っている。しかし、共通する資金提供者を持ち、連携した街頭活動を展開しているという。
同ネットワークでは、シンガム氏が「コード・ピンク」に133万ドル、今週の抗議活動で中心的な役割を担う「ピープルズ・フォーラム」に2244万ドルを寄付した。また、ネットワーク全体のメディア部門に当たる「BreakThrough BT Media」に109万8千ドルを提供した。
ムーレナー氏は、これらの団体の行為が「米国の選挙規則や政治活動に関する規則」に違反している可能性があると指摘した。また、免税資格を引き続き認めるべきか確認するため、資金状況を調査するよう求めた。
FOXニュースは、調査の結果、シンガム氏がさまざまな方法を通じ、六つの大規模な非営利団体、メディア、活動家組織からなるネットワークに計2億8500万ドルを投入していたことが分かったと報じた。これらの組織は、反米・親中的な言説を広めてきたという。
関係団体がSNSに投稿した情報によると、習近平とトランプ米大統領が9月24日にホワイトハウスで会談する際、ピープルズ・フォーラム、コード・ピンク、パレスチナ青年運動のほか、シンガム氏のネットワークに属する団体が街頭で抗議活動を行う予定である。関連する抗議活動は、習近平の訪米日程が終了するまで続くという。
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