【十字路口】中共台湾侵攻計画なし 習近平五雷轟頂の真相

2026/03/21
更新: 2026/03/21

ご存じのとおり、ここ数年にわたり「中共は2027年に台湾に対して武力を行使し、習近平のいう『祖国統一』という大きな夢を実現しようとしている」と言われてきた。アメリカ国防総省も一時期、「中共は2027年までに台湾に勝利しうる能力を手にする」と評価していた。

では、中共は本当に2027年に台湾へ侵攻するのか。答えはすでに明らかになっている。

また、習近平は最近たびたび悪夢にうなされ、その中で自らが「五雷轟頂(五つの雷に打たれるような天罰・大災厄)」に見舞われているという。

なぜそのような事態に陥っているのか。これから一緒に見ていきたい。

米報告書が明かす中共台湾侵攻計画の不存在

アメリカの国家情報機構がこのほど公表した最新の報告書によれば、米側の評価として「現時点で中共には2027年に出兵する計画はない」とされている。ただし、中共は非武力のさまざまな手段を駆使して台湾の支配権を奪おうとするだろう、とも指摘している。

この「2026年度・威嚇評価報告」において、米国の情報当局は、2026年における中共の対台湾戦略は依然として「非軍事・非武力の衝突形態」を通じて、最終的な統一を達成するための諸条件を積み上げていくことにあると見ている。

報告書はまた、「中共は確かに台湾を奪取しうる軍事能力の拡張を継続しているが、それが必ずしも武力行使を意味するわけではない」とも評価している。

では、この報告書の中身を詳しく見てみよう。米側の評価には、いくつか重要なポイントがある。

第一に、中共指導部は現時点で「2027年に台湾を武力侵攻する具体的な計画」を持っておらず、明確な両岸統一のタイムテーブルも設定していない。ただし、中共は「2049年が中共建政100年に当たり、祖国統一はその百年の節目を飾る重要目標の一つである」と明言している。そして、台湾統一は「祖国統一」を成し遂げるための必須条件でもある。

第二に、中共当局自身も、「台湾に対して二段階の上陸作戦を発動することは、極めて難度の高い挑戦であり、失敗リスクも相当に大きい」ことを認めている。とりわけ、ひとたび米軍が台湾防衛に参戦すれば、その難度はさらに跳ね上がる。

第三に、こうした理由から米側は「中共が軽率に武力を行使することはない」と評価している。その一方で、中共は引き続きさまざまな要素を踏まえつつ、軍事的な武力統一の可能性を評価・推進していくだろうとも見ている。その要素には、人民解放軍の戦争準備の度合い、台湾国内の政治環境、そして米軍の介入や共同作戦のあり方などが含まれる。

米側のこうした説明は、実のところそれほど意外なものではない。私たちもこれまでに、これらの要因について分析を重ねてきた。ただ、今回はそれをアメリカの情報機構が正式な形で公表した点に大きな意味がある。すなわち、米側が関連情報を収集し、「中共は現時点で武力統一を実行できるだけの能力も自信も持っていない」と裏付けたことを示しているのである。

米軍介入の必然性と台湾海峡の半導体リスク

さらに重要なのは、この報告書が「なぜ米軍が必ず台湾海峡の戦争に介入するのか」という理由も、暗に示している点である。

というのも、台湾海峡で戦争が勃発すれば、アメリカ側の国際貿易と半導体調達が遮断されてしまうからである。もし米側が戦争に介入すれば、中共のサイバー部隊から深刻な攻撃を受ける可能性は高いものの、その攻撃による損失はなお「許容可能な範囲」にとどまる。しかし、もし米側が介入しなければ、テクノロジーのサプライチェーンは分断され、資本はリスク回避のために市場から逃げ出すことになる。その結果、アメリカと世界全体の経済・安全保障は重大な打撃を受け、極めて高い代償を払わされることになる。

もっとも、台湾海峡で長期にわたる消耗戦が起これば、米国、中共、そして世界経済全体にとっても、かつてないほど莫大なコストをもたらすことになる。

こうした説明は一見すると回りくどく聞こえるかもしれない。しかし、あくまで情報機関による「威嚇評価報告」である以上、彼らは事実を賛否両面から客観的に列挙し、主観的な色彩を極力排除しなければならない。

しかし、私はこれらの文言に二つの潜在的メッセージが込められていると考える。

第一に、台湾の安全保障はアメリカの貿易安全、テクノロジー安全、そして経済安全に直結しているという点である。したがって、米側はたとえ代償を払うとしても、必ず台湾防衛に関与するということである。ただし、その代償は米側にとって「なお耐えられる範囲」に収まるという含みがある。

第二に、台湾の安全保障は世界各国の経済安全にも直結しているという点である。各国の利益は等しく影響を受けることになる。しかし同時に、もし長期戦が勃発すれば、双方が共倒れになる可能性も高い。そのため、米側をはじめとする各陣営は、「戦わずして戦う」「実力によって平和を求める」というやり方、つまり抑止と同盟の力によって中共を牽制・包囲し、両岸関係を現状維持へと導こうとする公算が大きいのである。

結局のところ、台湾海峡は「半導体版のホルムズ海峡」とも言える存在である。この海峡が封鎖されれば、そのリスクを世界の誰も負担できない。したがって、台湾海峡問題は決して「中共の内政問題」ではなく、全世界の利害に関わる国際問題である。だからこそ、各国は台湾を守り、中共に勝手な振る舞いをさせない責任を負っているのである。

言い換えれば、台湾が今後も世界最先端の半導体チップ製造能力を維持し続ければ、各国の経済安全保障を守るうえで大きな助けとなる。同時に、それが各国をして「台湾の国防安全を守ろう」とする強い動機付けにもなるのである。

実を言えば、アメリカ情報機関の威嚇評価報告は、表現としてかなり控えめであり、「なぜ中共が台湾を占領できないのか、なぜ占領したくないのか、なぜ占領する勇気がないのか」といった理由について、より踏み込んだ説明はしていない。

一方で、ここ数日、中共は突然、台湾への大規模な軍事的威嚇と騒擾行為を再開した。ところが、ある台湾メディアはこれを歓迎し、「共軍戦闘機が完全に出撃した」と歓声を上げた。こうした「紅色メディア」に対しては、思わず「忠勤賞」の銅像でも贈るべきだと言いたくなる。台湾のためにせっせと「ご奉公」して、中共が一刻も早く台湾を「公有化(支配)」できるよう尻をたたいているかのようである。

しかし、現実には中共には台湾を本格的に侵略する能力はない。現在、米軍はイランとの戦場に三つの空母打撃群を投入し、それらを中東に留め置いているが、それでも中共には台湾海峡に新たな戦線を開く余力がないのである。

なぜか。それは習近平にとって、すでに「五雷轟頂(五つの雷に打たれるような天罰・大災厄)」の状態となっているからである。すなわち、彼の頭上には五つの凶兆たる黒雲が垂れ込めている。

第一凶兆:軍内粛清未完の習近平党内闘争

第一の凶兆は、「中共党内での粛清闘争がまだ終わっていない」という点である。とりわけ軍内には、依然として多くの「反習派」や「面従腹背な人(表向きは忠誠を装い、裏では反対する者)」が存在している可能性がある。習近平は第20回党大会以来、軍に対して苛烈な粛清を行い、将官を100人以上摘発した。そのうち40人あまりが上将であり、軍のナンバー2の張又侠も含まれている。しかし、軍内部にはなお多くの反習派や面従腹背な人が潜んでいることは間違いなく、習近平は軍を全面的には信頼できない状況にある。

しかも、習近平は張又侠を捕らえたものの、その張又侠を支えていた党内・軍内の大物たちが必ず背後にいる。しかし、こうした大物たちが連座して処分されたという話は、いまのところ伝わってこない。これはつまり、習近平が軍内でも党内でも、なお多くのライバルや敵対勢力を抱えているということである。したがって、彼にとって当面もっとも重要な仕事は「党内闘争を通じた自己保身」であり、台湾海峡での戦闘は後回しにせざるを得ないのである。

第二凶兆:盟友斬首とCIAの反共工作

第二の凶兆は、習近平が「盟友」と目していたベネズエラのマドゥロとイランのハメネイという二人が、相次いでアメリカ側に「斬首作戦」を仕掛けられ、打撃を受けたことである。これを目の当たりにした習近平は、極めて強い恐怖を覚え、自分の身近に裏切り者がいるのではないかと深く懸念している。

「斬首作戦」を成功させるには、精良な兵器と優秀な軍隊だけでは足りない。より重要なのは「極めて精確かつ秘匿性の高い情報」、すなわち深く信頼できる人的情報源(スパイ)の存在である。マドゥロとハメネイが受けた打撃は、この点を如実に立証している。だからこそ、習近平は「自分を嫌う者があまりにも多く、党内の面従腹背な人もあまりにも多い。いったいどうやって防げばよいのか」と恐怖におびえているのである。

さらにアメリカCIAは去年と最近、合わせて四本の動画を公開し、「中共体制内の官僚たちに向けて、米側の情報活動に参加し、ともに中共を解体してこそ真の『国を守る』である」と呼びかけた。これら四本の動画は、総再生回数が1億2千万回近くに達している。海外の華人や、中国国内でVPNなどを通じて視聴したネットユーザーを差し引いても、少なくとも一千万人以上の中共体制内関係者がこの動画を見たと推定される。そのうちどれほどの「志ある人々」が本当に反共の行列に加わるのか。そう考えれば、習近平が恐れないはずがない。

そのため、米軍がイランを爆撃した直後に、中共の党メディアはすぐさま「中国人民は安穏な時こそ危機を思い、決して『送頭(無警戒に身を晒すこと)』してはならない」といった趣旨の記事を掲載した。これは、党中央が「身の回りはすでにスパイだらけだ」と強く恐れていることを露呈したものでもある。

第三凶兆:トランプの変則包囲網と中共打撃

第三の凶兆は、「トランプ米大統領が中共の『百年大変局』という大嘘を見抜き、権力を手にしてこれを打ち砕き、習近平の『世界覇権の皇帝の夢』を粉々にしている」という点である。

番組の古くからの視聴者のみなさんはご承知のとおり、私は2年前から「中共のいう『百年未有の大変局』とは、中共・ロシア・北朝鮮・イランといった邪悪な国々が結託して世界秩序を書き換えようとしている大掛かりな詐欺である」と指摘してきた。中共は、ロシアにヨーロッパでNATOを牽制させ、イランには中東でアメリカを足止めさせ、北朝鮮には日本をかき乱させたうえで、西側の力が分散している隙を突いて台湾を武力併呑しようとしているのである。

これは、ほとんど身代限り寸前の博徒たちが、一か八かでカジノ全体を襲撃して一発逆転を狙う陰謀に似ている。ところが彼らは、トランプ政権がすでにこの企てを見破っていたことを想定していなかった。

トランプ政権は昨年、まずパナマ運河の統制権を握り、中共がそこに介入する余地を排除した。これにより、万一台湾海峡で事態が発生しても、米軍はパナマ運河を通じて迅速に兵力を展開できるようになった。

続いて今年、トランプ政権は先にベネズエラを叩き、それからイランを攻撃し、中共が享受してきた「廉価な石油供給の源」を断とうとしている。その結果、中共の石油輸入量は少なくとも15%減少し、国内経済への圧力が高まるとともに、中共の戦時備蓄エネルギーにも打撃を与えている。

同時にトランプ政権は、エネルギー禁輸措置を通じてキューバも標的とし、キューバ共産政権を倒す準備を進めている。これによって、中共がアメリカの「裏庭」で行使してきた影響力と脅威を一掃しようという狙いがある。また、世界各国に対して「東昇西降」など存在せず、アメリカこそ依然として世界の覇権国家であり、各国がどちらの陣営につくかを見極める必要があるのだとはっきり認識させる効果もある。

要するに、これは経済面と外交面の双方から中共を締め上げる「変則的な包囲戦」である。その結果、いまや多くの人が「表面的にはトランプの発言や行動は一見無秩序に見えるが、実際にはきわめて精密な計算に基づき、順序立ててカードを切っているのだ」と理解し始めている。現在のアメリカの一挙手一投足は、すべて「中共打撃」を中心に構築されていると言ってよいだろう。そう考えるなら、習近平が恐れないはずがない。

しかもトランプはイランを激しく攻撃しているにもかかわらず、ロシアに対しては終始低姿勢を崩していない。ロシアがイランに情報を提供し、米軍への攻撃を支援しているにもかかわらず、トランプ氏はなおロシアとの間で「ロシア・ウクライナ戦争の停戦協定」を結ぼうとしている。なぜか。それは、プーチンを引き込み、さらなる形で中共包囲網を強化しようとしているからである。

第四凶兆:中国製兵器の実戦無力化

第四の凶兆は、「中共が製造した兵器が全く役に立たず、中共の国防体系がすでに破綻状態にある」という点である。

ご存じのとおり、ベネズエラもイランも、中共から大量の「先進防空システム」やミサイル、たとえばJY-27レーダーや紅旗9地対空ミサイルなどを購入してきた。ところが実戦では、米軍の攻撃に対してこれらの装備は完全に「鉄くず同然」であった。米軍機を探知することすらできず、逆に米側のミサイル攻撃によって一網打尽にされてしまったのである。

この出来事はすでに国際的な大事件となり、各国メディアがこぞって「なぜ中共の兵器はこれほど頼りにならないのか」を分析し始めている。さらに重要なのは、パキスタン・ベネズエラ・イランで続いた三度の戦争が、「中国製兵器の防御能力は実戦ではほぼゼロである」という事実を証明してしまったことである。

これは、現在の中共の防空システムが「卵の殻同然で、ひと突きで砕け散る」ことを世界に向かって公然と示したに等しいと言えるだろう。万が一、中共が本当に米軍と正面衝突することになれば、その結果は「一撃で壊滅」となる可能性が高い。中共の「大国としての地位」は一戦にして吹き飛び、共産党政権そのものも灰燼に帰しかねない。これこそが、中共が短期的にはとても台湾海峡に出兵できない主な理由である。

しかも、これらの戦争は、中共軍内部の腐敗がどれほど深刻かを白日のもとにさらした。腐敗は兵器の性能と部隊の戦闘力、人員の素質を想像を超えるほど脆弱なものに変えてしまっている。同時に、これらの戦争は中共の軍需産業が生産する兵器の輸出にも深刻な打撃を与えるはずである。とりわけ、豊富な資金を持つ中東の産油国などは、もはや「メイド・イン・チャイナ」の武器を購入しようとは思わなくなるだろう。

第五凶兆:中国経済長期衰退とGDP下方修正

最後、第五の凶兆は、「中共にとって最も長期的で、最も重く、最も解決の難しい危機――中国経済が長期的な衰退局面に陥りつつある」という点である。

私たちはこれまで、「中国のGDP成長率と失業率は、見なくても数字が決まっている。いつも『不動の5%』に小数点レベルの微調整が付く程度だ」と皮肉ってきた。なぜなら、中共経済は「人民のためではなく、政治のため」に存在しているからである。中国国内の人々がどれほど苦しもうと、失業がどれほど深刻になろうと、数字上の成長率は永遠に「5%台」に張り付いたままであった。

しかし今年、その数字に変化が生じた。中共は全国人民代表大会と全国政治協商会議(いわゆる「両会」)において、「今年のGDP成長率見通しを4.5%〜5%とする」と発表した。これはきわめて異例の「下方修正」であり、5%から4%台へと近づく数字を公表した形になる。これは、中国経済の危機と不確実性について、中共当局自身でさえ予測も立てにくく、救済も難しいと認めざるを得なくなり、「5%割れ」を見据えた「号砲」を先に鳴らしておくことで、人々に徐々に経済不振の現実を受け入れさせようとしているのだと考えられる。

現在の中国経済には、企業倒産や大量失業、住宅市場の暴落、デフレ、投資の縮小、消費の低迷など、さまざまな困難が集中している。中共も「経済を救うには消費を喚起しなければならない」ことは理解しているが、問題は中国国民にお金がないか、あるいは将来が不安で消費を控えているという点にある。

中共の「第15次五カ年計画」は「消費を喚起する」とうたっているが、その中身は国民に現金を配って消費を刺激するようなものではない。依然として特定産業を重点的に支援する従来の手法に固執し、「設備更新補助」などを大々的に打ち出している。しかし、その本質は「国家の延命」という観点からの思考であって、「人民の生活のため」という観点からの思考ではない。そのため、海外の多くのアナリストは、この「消費テコ入れ策」は「実体のない空手形に終わる可能性が高い」と辛辣に指摘している。中共の資金と資源は、体制維持のためにのみ投入され、国民を守るためには使われないからである。

中国経済がこれほど悪化しているなかで、もし中共がなお台湾に出兵するようなことがあれば、東シナ海や南シナ海周辺の経済圏は戦火の反動をまともに受けることになる。その結果、中国のGDPの半分近くが吹き飛ぶ恐れすらある。そのような事態になれば、中共政権はより激しい「人民蜂起」の圧力に直面せざるを得ないだろう。

ここまで見てきたとおり、これが「中共が近年中に台湾へ出兵することは、ほとんどあり得ない」と私が考える主な理由である。なぜなら、習近平はすでに「五雷轟頂」の状態にあり、自らの身を守るだけで手一杯だからである。

もちろん、中共の軍用機は今後も時折、台湾海峡へ飛来して「存在感アピール」を続けるだろうし、台湾立法院の「親中共政治家」たちも、軍事予算の妨害や「反米論」の流布をやめないだろう。

しかし、台湾の人々がこの大きな構図をはっきりと見極め、今年の統一地方選挙と2028年の総統選挙で、投票をもって中共への抵抗と防波堤の役割を果たすことができれば、台湾は表面的には緊張状態に見えたとしても、実際には長期的な安全を保つことができるはずである。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
唐浩
台湾の大手財経誌の研究員兼上級記者を経て、米国でテレビニュース番組プロデューサー、新聞社編集長などを歴任。現在は自身の動画番組「世界十字路口」「唐浩視界」で中国を含む国際時事を解説する。米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)、台湾の政経最前線などにも評論家として出演。古詩や唐詩を主に扱う詩人でもあり、詩集「唐浩詩集」を出版した。旅行が好きで、日本の京都や奈良も訪れる。 新興プラットフォーム「乾淨世界(Ganjing World)」個人ページに多数動画掲載。