「高市内閣2.0」始動 記者会見詳報

2026/02/19
更新: 2026/02/19

令和8年2月18日、第105代内閣総理大臣に指名された高市早苗氏は、第2次内閣の発足に伴う記者会見を行った。先の衆議院議員総選挙において、自由民主党は結党以来70年余りの歴史で最多かつ単独で3分の2超の議席を獲得し、日本維新の会との連立政権下で盤石な基盤を築いた。高市首相は第2次内閣を「高市内閣2.0」と位置づけ、全閣僚を再任することで政策の継続性と実行力を担保し、「責任ある積極財政」や安全保障の抜本強化に邁進する姿勢を鮮明にした。

高市早苗議員は第105代内閣総理大臣として首班指名を受けた(写真:内閣広報室提供)

高市首相は冒頭、選挙での圧倒的な信任に感謝を述べつつ、3分の2超の議席数に驕ることなく、謙虚かつ大胆な政権運営を行うと表明した。昨年10月に公明党との連立を解消し、日本維新の会と新たな連立を組んだ経緯に触れ、両党の信頼関係は揺るぎないものであると強調した。

(写真:内閣広報室提供)

政権の最重要課題として掲げたのは「責任ある積極財政」である。国内投資の圧倒的な不足を解消するため、「危機管理投資」と「成長投資」に対し、官民協調で大胆な投資を促す方針を示した。予算編成においては、単年度主義の弊害を打破するため、複数年度予算や長期基金による支援を可能にする改革に着手するとともに、毎年補正予算を組むことを前提とした従来の編成方針と決別し、必要な予算は可能な限り当初予算で措置するとした。

また、物価高対策および逆進性緩和策として、給付付き税額控除の導入に向けた制度設計を進める意向を示した。その導入までの「2年間のつなぎ」として、飲食料品の消費税率をゼロにする検討を加速させ、野党の協力が得られれば夏前には中間取りまとめを行い、税制改正法案の提出を目指すとした。

安全保障政策に関しては、ウクライナ侵略等の国際情勢を鑑み、戦略三文書の改定を急ぐとともに、「国家情報局」の設置や、対日外国投資委員会(日本版CFIUS)設置のための法案を提出し、インテリジェンス機能を強化する方針を示した。外交面では、米国のトランプ大統領との強固な信頼関係に基づき、日米同盟をあらゆる分野で強化する。特に経済安全保障分野では、南鳥島周辺海域でのレアアース開発を含めた重要鉱物のサプライチェーン強化について、日米で連携して進める意向を明らかにした。

令和8年2月18日、高市内閣2.0が発足した(写真:内閣広報室提供)

会見後半の質疑応答では、各社記者から具体的な政策運営に関する質問が相次いだ。

東京新聞の記者は、圧倒的多数の議席を持つ与党が予算審議を短縮し、国論を二分する安全保障政策などを強引に進めるのではないかとの懸念を示し、国会運営の方針と少数意見の尊重について質問した。これに対し高市首相は、予算や重要法案の年度内成立は国民生活の安心のために不可欠であるとしつつも、野党や少数意見には謙虚に耳を傾け、最善の結論が得られるよう努めると回答した。

消費税減税に関しては、共同通信の記者から飲食料品の税率ゼロ化に向けた協力政党や法案提出時期について具体的な問いがなされた。首相は、給付付き税額控除に賛同する野党に個別に働きかけていることを明かし、夏前の中間取りまとめと早期の法案提出を目指すが、実施時期については超党派の国民会議での議論を経て決定すると述べるにとどめた。

外交については、NHKの記者が来たる日米首脳会談で重視する議題や、南鳥島沖のレアアース開発を含む経済安全保障分野での協力について尋ねた。首相は、トランプ大統領との信頼関係をさらに強固にし、安全保障、経済、文化などあらゆる分野での連携強化を確認したいと述べた。特にレアアース開発については強い意欲を見せ、日米の協議の場を設けて推進していく考えを示した。また日本が提唱してちょうど10年が経つFOIP(自由で開かれたインド太平洋)への強力なコミットメントをあらためて確認したいとし、自身の外交政策の重要な柱であると強調した。

京都新聞の記者は、在留外国人の増加に伴う多文化共生のあり方について質問した。高市首相は、一部の外国人によるルール逸脱が国民の不安を招いている現状を踏まえ、内閣に初めて「外国人政策担当大臣」を設置したと説明した。排外主義とは一線を画しつつも、法やルールを遵守することを前提とした「秩序ある共生」を目指す総合的対応策を取りまとめたと強調した。

その他、憲法改正や金融政策、財政規律について記者から問われた。憲法改正については自民党の政権公約であり、各会派の協力も得ながら早期の発議と国民投票の実現を目指すとし、「決して諦めない」と強い決意を表明した。また、金融政策と財政規律については、16日に行われた日銀の上田総裁との会談内容や利上げへのスタンスを問われた際、首相は会談の詳細は伏せつつ、日銀には物価安定目標の実現に向けた適切な政策運営を期待すると述べた。また、積極財政と財政再建のバランスを巡る懸念に対しては、2026年度予算において新規国債発行額を2年連続で30兆円未満に抑え、28年ぶりにプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化を達成した実績を提示した。債務残高対GDP比を安定的に引き下げており、財政の持続可能性とマーケットからの信任は確保されているとの認識を示し、強い経済を作ることが結果として社会保障の維持につながると訴え、会見を締めくくった。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。