1月30日、トランプ米大統領はホワイトハウスで、イランに対し、アメリカとの核合意に関する「最終期限」をすでに直接伝達したことを示唆した。期限の具体的内容については「正確に知っているのはイランだけだ」と述べるにとどめた。
これに先立つ28日、トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、アメリカが現在、超大規模な艦隊をイランに向けて接近させていると明らかにした。この艦隊は高速かつ強力な火力を備え、圧倒的な存在感を持ち、空母「エイブラハム・リンカーン」を中核とする。規模は、かつてベネズエラに派遣された艦隊を上回るという。
トランプ氏は「必要であれば、米軍は迅速かつ暴力的に任務を完遂できる準備が整っている」と強調した。
さらにトランプ氏は、「イランには直ちに交渉の席に着き、公平で合理的な合意を結んでほしい。核心は、イランが核兵器開発を放棄することだ。それはすべての関係者にとって利益となる。時間は本当に残されていない。この機会をよく生かすべきだ」と訴えた。
その上で、「以前にも交渉を促したが、イランは応じず、その結果『ミッドナイト・ハンマー作戦』で深刻な打撃を受けた。次の攻撃が行われれば、さらに悲惨な結果になるだろう。同じ過ちを繰り返さないことを望む」と警告した。
報道によると、オープンソース情報から、米軍は数週間にわたり中東地域で大規模に集結しており、同地域には最大5万人の米軍部隊が駐留している。
現在も米軍は偵察機による監視任務を継続しており、C-17およびC-5輸送機が大量の装備を中東各地の米軍基地へ輸送している。
中でも最も注目されるのが、「エイブラハム・リンカーン」空母打撃群のアラビア海北部への展開である。同打撃群には、空母本体に加え、ミサイル駆逐艦3隻、複数の航空団が含まれ、F/A-18E「スーパーホーネット」、F-35CライトニングII戦闘機、EA18Gグラウラー電子戦機などが配備されている。
このほか米海軍は、「デルバート・D・ブラック」号、「マクフォール」号、「ミッチェル」号の駆逐艦3隻を地域内に配置し、それぞれ独立した任務に当たらせている。
また、沿岸戦闘艦3隻「サンタバーバラ」号、「キャンベラ」号、「タルサ」号はバーレーンに配備され、機雷掃討や、イランが新たに配備した兵器システムへの対応任務に就く可能性がある。
米空軍も同時に、イラン空域周辺で大規模演習「アジャイル・スパルタン作戦」を実施していると発表した。目的は、「米中央軍管轄区域内における航空戦力の展開、分散、維持能力を誇示すること」だとしている。
さらに、イランによる報復的なミサイル攻撃に備え、米軍は新たな防空システムの配備も進めた。カタールのアル・ウデイド空軍基地には「パトリオット」ミサイルシステムを設置し、「THAAD(高高度防衛ミサイル)」の追加配備も確認した。これらの動きは、1月25日の衛星画像によって裏付けられている。
こうした一連の動向は、米軍がイランに対する新たな軍事攻撃に向け、ほぼ準備を完了したことを示唆している。
イスラエルの情報機関は、トランプ大統領がイラン攻撃を決断しており、作戦はいつ開始されてもおかしくないとの見方を示している。関係筋の話として、トランプ氏が検討している選択肢には、イラン指導部や治安当局幹部への空爆、核施設や政府機関への攻撃が含まれるが、最終決定には至っていないという。ただし、「リンカーン」空母打撃群の展開以降、軍事的選択肢の幅は広がっている。
軍艦の動向を長年追跡し、SNS上で分析を発信しているステファン・ワトキンス氏は、最近、RC-135戦略電子偵察機、E-11A BACN電子戦機、E-3G「セントリー」早期警戒管制機など、複数の米軍偵察・警戒機が同地域に到着したと指摘した。これらの機体は、昨年の対イラン攻撃「ミッドナイト・ハンマー作戦」でも確認しており、同氏は「空爆が近い将来に実施される可能性を示している」と分析する。
一方、トランプ氏の強硬姿勢に対し、イランも真っ向から対抗する構えを見せている。
首都テヘラン中心部の広告看板には、空母が撃沈される様子を描いた画像とともに、「風を蒔く者は旋風を刈り取る」との標語が掲げられた。
イランのアラグチ外相は、「勇敢な我が武装部隊はすでに準備を整え、陸・海・空のいずれに対する侵略であっても、引き金に指をかけ、即座に強力な反撃を行う」と警告した。
さらに同外相は、アメリカの「ミッドナイト・ハンマー作戦」に相当する「イラン・イスラエル戦争(12日間戦争)」から得た教訓が、「より強く、より迅速で、より深い反応を可能にした」と述べた。
イラン革命防衛隊は、米空母「リンカーン」を上空から撮影した映像を公開し、「隠れても無駄だ。我々はお前たちの位置を把握している。我々の自爆型ドローンは、航空機が離陸する前に到達できる」とけん制した。
報道によれば、イラン最高指導者ハメネイ師はすでに地下シェルターに移動しており、指導部は有事に備えた暫定後継者も指定したという。
アメリカとイランの間では、核開発および弾道ミサイル生産の制限を巡る交渉が停滞している。イラン国営メディアによると、アラグチ外相は「ここ数日、アメリカ特使スティーブ・ウィトコフ氏と接触しておらず、交渉を求めた事実もない」と否定した上で、「脅しや過剰な要求がある限り、交渉は成立しない」と強調した。
1月29日には、ピート・ヘグセス国防長官がホワイトハウスの閣議で演説し、「トランプ大統領が発言するとき、それは本気だ。大統領が『イランは核兵器を持ってはならない』と言うとき、それは断固たる意思の表明だ。我々は国防総省で抑止力を再構築している」と語った。
イランが現在の強硬姿勢を維持し、核兵器開発放棄を含む合意を拒み続ける場合、トランプ政権が新たな軍事攻撃に踏み切る可能性は高いとみている。
世界はいま、固唾をのんで情勢を見守っており、大規模衝突はいつ起きても不思議ではない状況にある。

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