藤田医科大系の臓器あっせん法人を初許可 中国移植を巡る国際的議論の中で透明性が焦点に

2026/02/01
更新: 2026/02/01

厚生労働省は1月30日、藤田医科大学(愛知県豊明市)などが設立した一般社団法人「中部日本臓器提供支援協会(CODA)」に対し、臓器移植法に基づく「ドナー関連業務実施法人」としての業務許可を出した。日本臓器移植ネットワーク(JOT)以外の法人が臓器あっせん業務(眼球を除く)の許可を受けるのは全国で初めてとなる。

国内の深刻なドナー不足解消に向けた体制改革が進む一方、新法人の設立母体が中国の移植医療と深い関わりを持っていることから、国際的に問題視される人権侵害のリスクに対する懸念も指摘されている。

JOTへの一極集中を解消

これまで日本の臓器移植あっせんは、JOTが唯一の機関として一手に担ってきた。しかし、ドナー(臓器提供者)となる可能性がある患者の家族への説明、同意取得、医学的検査、臓器搬送の調整など業務は多岐にわたり、提供数の増加に伴う業務集中や、人員不足による現場対応の遅れが課題となっていた。

これを受け厚生労働省は、JOTの業務負荷を軽減し、より効率的な体制を構築するため、「臓器あっせん機関の複数化」を推進する改革案を策定。地域ごとにドナー家族への対応などを専門に行う法人を公募し、藤田医科大学などがこれに応じる形で2025年11月に新法人を設立、許可申請を行っていた。

地域密着による迅速化への期待

今回許可された「中部日本臓器提供支援協会」は、中部7県(愛知、三重、岐阜、静岡、福井、石川、富山)を管轄する。

新体制では、日本臓器移植ネットワーク(JOT)が移植希望者の選定(マッチング)に専念し、新法人がドナー家族への対応、医学的評価、臓器搬送の調整といった現場業務を担う役割分担となる。

これにより、これまでJOTに集中していた実務が地域側に分散され、ドナー発生時の初動対応や家族への説明、同意取得までの時間短縮が見込まれている。

また、地域事情に精通したコーディネーターが常駐することで、提供施設との連携や家族への心理的ケアも従来よりきめ細かく行える体制になるという。

さらに2025年度からは、新法人も国の「臓器移植対策事業費補助金」の対象となり、人員確保やシステム整備に対する公的支援が行われる予定で、安定的な運営基盤の確保も図られる。

藤田医科大学の公表事例と国際的議論

国内体制の拡充が期待される一方、設立母体の藤田医科大学は、過去に中国で心臓移植を受けた患者事例を公表している。

資料によると、藤田医科大学は2020年7月、同大学に入院していた中国人技能実習生が中国・武漢へ帰国し、心臓移植を受けた事例をプレスリリースで明らかにした。新型コロナウイルスによる渡航制限下でチャーター便が手配され、患者は武漢の病院に到着してから13日後に移植手術を受けた。この間、適合する心臓が4例提示されたと報じられている。

一方、中国における臓器移植をめぐっては、待機期間の短さや移植件数の多さが国際的に議論の対象となっている。英国で設置された民衆法廷や複数の国際調査機関は、拘束された法輪功学習者やウイグル人などが臓器供給源となっている可能性を指摘し、国家的関与の疑いを提起している。

こうした議論を背景に、国際社会では移植医療における倫理性と透明性の確保が重視されており、日本も批准する「イスタンブール宣言」は、移植ツーリズムの防止と自国内での臓器確保を原則としている。

厚生労働省は、新法人の審査基準において、同宣言などの国際倫理指針に基づいた運営と透明性を評価する仕組みの導入を求めている。新体制の下で、こうした基準がどのように運用されるかが注目される。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます