FRB 政策金利を据え置き

2026/01/29
更新: 2026/01/29

米連邦準備制度理事会(FRB)は今年最初の金融政策決定会合で、利下げ局面に一時的な「ブレーキ」をかけ、政策金利を据え置いた。

連邦公開市場委員会(FOMC)は、主要政策金利であるフェデラルファンド金利の誘導目標を年3.5~3.75%に維持することを、賛成10、反対2で決定した。

会合後の声明では、経済見通しを巡る不確実性が依然として高い水準にあると指摘した。

FOMCは声明で「雇用の増加は低水準にとどまり、失業率には安定化の兆しが見られる。一方、インフレ率は依然としてやや高い」と述べた。

また今回の声明では、労働市場の弱体化リスクがインフレ上昇リスクを上回っているとした従来の文言が削除された。これは、最大雇用と物価安定という二重の使命を達成するため、当局が今後、様子見姿勢を強める可能性を示唆するものと受け止められている。

声明ではさらに、「フェデラルファンド金利の目標レンジに対する追加的な調整の程度と時期を検討するにあたり、委員会は今後の経済指標、見通しの変化、リスクのバランスを慎重に評価する」とした。

今回、据え置きに反対したのは、トランプ米大統領がFRB理事に指名したスティーブン・ミラン氏とクリストファー・ウォラー氏の2人で、両氏は0.25%の利下げを主張した。

ミラン氏は2025年9月に理事の欠員を補う形で一時的に就任しており、任期は1月31日までとなっている。再任されるかどうかは現時点では不透明だ。

一方、ウォラー氏については次期FRB議長候補としてインタビューを受けたと報じられているが、当選確率は低いとみられている。

今回の決定は市場の大方の予想通りで、FRBが金利を動かさなかったのは昨夏以来となる。

会合後の記者会見でパウエルFRB議長は、物価の落ち着きが確認されれば、金融緩和に踏み切る余地があるとの認識を示した。

パウエル氏は、関税による物価への波及効果について「新たな大規模関税の引き上げがなければ、いずれピークを迎え、その後は低下していくと見込んでいる」と述べ、「今年を通じてそうした動きが確認できれば、政策を緩和できると判断する材料になる」と語った。

市場の反応を見ると、米株式市場は政策決定後も大きな方向感を欠き、主要株価指数は小幅なプラス圏とマイナス圏を行き来した。

米国債利回りは全体的に上昇し、指標となる10年債利回りと30年債利回りはいずれも4ベーシスポイント上昇し、それぞれ4.26%台、4.87%台を回復した。FRBの政策見通しを反映しやすい2年債利回りは3.59%まで上昇した。

主要通貨に対する米ドルの動きを示すドル指数は0.5%上昇した。同指数は今週、大きな下押し圧力を受けており、年初来では約1.5%下落している。

バンクレートの金融アナリスト、スティーブン・ケーツ氏は大紀元に対し、「声明文の小さいが重要な修正を通じて、FRBはほぼ全員の予想通り、利下げサイクルの一時停止を実行した。経済環境は、少なくとも当面、アクセルを緩められる程度には安定している」と述べ、「声明の新たな文言は、経済情勢がより均衡していることを示している」と分析した。

今後の金融政策を巡っては、FRBと市場の見方には隔たりがある。四半期ごとに公表される経済見通しでは、FRBは0.25%の利下げを1回行うと予測しており、政策金利の中央値は2026年末時点で3.4%と見込まれている。

一方、市場では年内に2~3回の利下げが実施されるとの見方が優勢だ。CMEの「FedWatch」ツールによると、次回の利下げは6月の会合になる可能性が高いとされている。

この時期は、パウエル議長の任期が5月に終了する点でも注目される。ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントで債券運用を統括するクリスチャン・ホフマン氏は、パウエル氏の在任期間中に大きな政策変更が行われる可能性は低いとの見方を示した。

同氏は「重要な動きは年後半に集中するだろう」とし、「今回の会合は、非常に興味深い局面の中で行われた、極めて平凡なFOMCだった」と指摘した。

さらに予測市場では、ブラックロック幹部のリック・リーダー氏が次期FRB議長の最有力候補とされている。ポリマーケットのデータでは、同氏の指名確率は40%超とされ、これに元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏(28%)、現職理事のウォラー氏(10%)が続いている。

もっとも、それまでは、労働市場が低調な雇用環境にとどまり、インフレ率も高止まりする中で、金融政策は引き続き経済指標次第になるとの見方が大勢だ。

次回のFOMCは3月17日から18日にかけて開かれる予定で、その間に、2本の雇用統計、主要なインフレ指標、2025年第4四半期の実質GDP統計が公表される予定だ。

ホフマン氏は「今年の利下げは、日々変化する経済環境とデータ次第だ。現時点では2~3回の利下げは十分に現実的だが、政策の方向性が大きく振れれば、状況は急速に変わり得る」と述べた。