中国企業のベネズエラ石油事業一覧

2026/01/06
更新: 2026/01/06

ベネズエラは豊富な石油資源を有し、かつては主要な石油輸出国として知られていた。しかし、公式データによれば、長年の管理不善や投資不足、さらに近年のアメリカによる制裁により、同国の原油生産量は急減している。現在、中国はベネズエラの石油分野における主要な顧客であり、同時に重要な投資者でもある。

ベネズエラは長年、アメリカとの間で100年以上続く石油パートナーシップを築いてきた伝統的な輸出国である。しかし、政策的制約やアメリカがカナダ産原油への輸入を拡大したことなどが影響し、アメリカの石油企業によるベネズエラからの輸入量は次第に減少した。この過程で、中国共産党(中共)政府および中国資本の企業がベネズエラ市場に参入した。

ベネズエラで採掘される石油の多くは炭素含有量の高い「超重質原油」であり、他の産油国に比べて採掘・輸送・精製コストが高い。また、前大統領ウゴ・チャベス政権下での制度改革により、生産量は減少の一途をたどった。

マドゥロ政権期には、長期化する制裁や資金不足、老朽化したインフラ、混乱した管理体制が重なり、石油産業は深刻な打撃を受けた。その結果、生産量は1990年代後半のピークであった日量約350万バレルから、昨年は約110万バレルにまで激減した。国家経済は崩壊し、貯蔵タンクの満杯により減産を余儀なくされる事態も生じた。世界最大の石油埋蔵量を抱えながらも、同国は深刻な貧困に陥っている。

ここでは、中国によるベネズエラ石油分野への投資状況を紹介する。

中国が最大顧客 2025年輸入量47万バレル

ベネズエラの石油輸出の大部分は中国向けである。ただし、中共当局による公式データは極めて限られており、輸入した原油は「再ラベリング」されることが多い。エネルギー分析会社Vortexaによると、2025年に中国がベネズエラから輸入した原油は日量約47万バレルで、中国の海上輸入原油総量の約4.5%を占める。

中国国内では「ティーポット」と呼ばれる小規模独立系製油所が、割安なベネズエラ産原油の主要な買い手となっている。また、輸入原油の一部は、ベネズエラ政府が中共に対して抱える債務の返済にも充てられている。専門家によれば、この債務総額は100億ドル(約1兆5千億円)を超えると推計される。

中国企業投資総額21億ドル 主なプレイヤー一覧

アメリカ企業研究所(AEI)の2023年の推計によれば、2016年以降、中国の投資家はベネズエラの石油分野に計21億ドル(約3150億円)を投資しており、現在も同国で操業を続ける数少ない外国企業の一つである。

以下は、ベネズエラで石油事業を展開している中国国有および民間企業である。

中国石油天然ガス集団公司(CNPC)

中国の大手国有石油企業であり、2019年にアメリカの制裁が発動されるまでは主要な投資者であった。現在もベネズエラ国営石油会社(PDVSA)との合弁会社「シノベンサ(Sinovensa)」を通じて原油を生産している。

CNPCは2019年にベネズエラからの原油輸入を停止したものの、その後は商社などを通じて中国への輸送が続いている。モルガン・スタンレーによれば、CNPCは合弁のパートナー企業であり、この事業がベネズエラ国内の約16億バレルの埋蔵量を管理している。

中国石油化工集団 (シノペック・グループ  Sinopec Group)

モルガン・スタンレーによると、この国有大手企業もまた合弁パートナーであり、約28億バレルの石油埋蔵量を管理している。

CNPCおよびシノペックは、ベネズエラでの事業活動についてロイターの取材に対し、現時点でコメントしていない。

中国協和資源有限公司(China Concord Resources Corp.)

ロイター通信によれば、同社は昨年、2つの油田開発に10億ドル(約1500億円)超の投資を計画し、2026年末までに日量6万バレルの生産を目指すと発表していた。ロイターは同社からのコメントを得られなかった。

科瑞石油(Kerui Petroleum)

S&Pが2024年7月に発表した報告書(匿名のベネズエラ国営石油会社関係者の発言を引用)によると、この民間石油サービス企業は2024年にPDVSAから石油生産契約を授与されたとされる。ただし、多くの同種契約が実際には履行されていないため、契約の有効性は不明である。同社はロイターからのコメント要請に回答していない。

安徽二環石油集団(Anhui Erhuan Petroleum Group)

同報告書によれば、この民間の石油製品卸売・小売業者も2024年にベネズエラ国営石油会社から生産契約を付与されたとされるが、この契約も有効かどうかは確認されていない。

安徽二環石油集団は5日、ロイターの電話取材に「ベネズエラ国営石油会社とのいかなる合弁事業にも関与していない」と否定した。

中共当局の動き 銀行に融資リスク報告要求

1月5日付のブルームバーグ報道によると、アメリカによるマドゥロ大統領逮捕を受け、中国の国家金融監督管理総局(NFRA)は政策系銀行および主要融資機関に対し、ベネズエラ向け融資の「エクスポージャー(リスク曝露度)」を報告するよう求めたという。

NFRAはまた、各銀行に対してベネズエラ関連の信用リスク監視を強化し、中国の金融機関が抱える潜在的リスクを評価するよう勧告した。

中共は長年にわたり、「石油と融資の交換」協定を通じてベネズエラに資金を提供してきた。ブルームバーグはこの措置について、「地政学的リスクの高まりが中国の銀行業に与える衝撃への懸念として、中国の監督当局の間で強まっていることを示している」と報じている。過去10年間で、中共は国家開発銀行などの政策系銀行を通じ、ベネズエラに数十億ドル規模(兆円単位)の融資を実行してきた。

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