環境省は、2025年度(令和7年度)に全国で捕獲・処理されたクマ類の数が、10月末時点で9867頭に達したと公表した。過去最多水準となっている。
この速報値は各都道府県からの届出に基づく「許可捕獲数」で、内訳は捕殺が9765頭、非捕殺が102頭だった。非捕殺には、保護下での捕獲や追い払い目的の捕獲などが含まれる。
捕獲数を地域別にみると、北海道や東北地方で特に多い。北海道は1422頭、秋田県は2185頭、福島県は1153頭、山形県は969頭と、森林が広がる地域での捕獲が目立つ。長野県など中部山岳地域でも数百頭規模に上っている。
クマの出没や農作物被害が増えている背景には、里山環境の変化や個体数の増加などがあるとされ、各自治体は注意喚起や防護柵の設置などの対策を進めている。
環境省は「クマは主に春から秋にかけて人里に出没する傾向があり、住民や観光客は十分な注意が必要だ」と呼びかけている。
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