トランプ米大統領は12月10日、新たな移民ビザ「トランプ・ゴールドカード」の申請受付を開始したと発表した。外国人が100万ドル(約1億5600万円)を支払うことで合法的な永住資格を取得できる。
トランプ氏は同日の円卓会議で「私たちは今、トランプ・ゴールドカードを開始した。30分後には専用ウェブサイトが公開され、すべての資金はアメリカ政府に帰属する」と述べた。
より強力で信頼できるグリーンカード
トランプ氏は、この制度により世界中から優秀な人材を引きつけ、定着させることができると強調した。また、政府の財政にも資する制度であると説明した。
企業がゴールドカードを取得すれば、外国人留学生は大学卒業後もアメリカに滞在しやすくなり、現地での就職も可能になる。
「ここにいる皆さんを含め、多くの人が口をそろえて言っている。アメリカでは、留学生を引き留めるのが非常に難しい。最優秀の学生であっても、卒業すれば帰国しなければならない。ハーバードやMITのような大学でさえもだ」と語った。
トランプ氏は特に中国、インド、フランス出身の卒業生に触れ、「このカードは基本的にグリーンカードだが、より優れたものだ。より強力で、より信頼性がある」と語った。
商務長官「市民権取得への道を開く」
ラトニック商務長官はゴールドカード制度の詳細について説明した。
個人で申請する場合は、100万ドルを支払う必要がある。企業が従業員のために申請する場合は、200万ドルだという。
ラトニック氏は「企業が200万ドルを支払えば、その従業員に対して、全面的な審査を行う。これは、政府がこれまで実施してきた中で最も厳格な審査であり、その人々がアメリカ市民となる資格を確実に満たしていることを確認するためのものだ」と述べた。
この制度により、申請者は5年間の滞在を経て、市民権の申請資格を得ることができる。
「当然ながら、申請者は良い市民でなければならない。5年後、審査を通過して市民権を取得した後は、企業が他の従業員の申請を支援することも可能になる。個人が支払う100万ドルは、アメリカへの贈与だ」
ラトニック氏はさらに、従来のグリーンカード保持者の平均所得がアメリカの一般市民よりも低い点を指摘し、「この制度は、より優秀な人材を呼び込むための仕組みであり、大統領の意向を反映したものだ」と述べた。
トランプ氏は、この制度によって得られる収益について、「この資金はアメリカ財務省に入り、国家の利益に資する特別口座で管理する」と説明した。
「このお金を活用して、アメリカのために有益な取り組みを実現できる」と述べ、企業側もこの制度に対して高く評価していると付け加えた。
なお、企業に雇用創出を義務づけるかどうか、またカードの発行数に上限を設けるかどうかについては、現時点では明らかにしていない。
申請方法とカードの種類
トランプ氏のSNSに、専用サイトへのリンクを投稿した。サイトのトップには「トランプ・ゴールドカード」と記した風景写真を掲載し、その下には「アメリカでの暮らしを解き放て」というキャッチコピーを表示している。
サイトでは、以下の3種類のカードを案内している。
- 個人向けゴールドカード
- 個人向けプラチナカード(近日中に公開予定)
- 法人向けゴールドカード
プラチナカードの価格は500万ドルとされているが、価格は今後変更する可能性があるとの注記がある。
プラチナカードの保有者は、年間最大270日までアメリカに滞在でき、国外で得た収入についてはアメリカでは課税しない。
いずれのカードも申請時に、氏名、生年月日、出生地、住所などの個人情報の提出を求め、審査費用として一律1万5千ドルが必要となる。法人カードについては、さらに年会費が発生する。
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