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東京エレクトロン台湾子会社を起訴 TSMC機密流出で監督責任問う

2025/12/03
更新: 2025/12/03

台湾の検察当局は2日、東京エレクトロンの現地子会社を営業秘密保護法や国家安全法違反などの罪で起訴したと発表した。重要基幹技術に関する営業秘密侵害で企業法人が訴追されるのは初めて。

台湾の半導体受託製造大手TSMCで、先端の2ナノメートル製造プロセスに関する技術情報が流出した事件で、台湾高等検察署知的財産検察分署は2日、東京エレクトロン株式会社が国家安全法などに違反した疑いがあるとして、法人として起訴した。

事件は、TSMCの情報セキュリティ監視システムが昨年6月末、社内ネットワーク上で不審なアクセスを検知したことから発覚した。検察当局の調べによると、TSMCのエンジニア複数名がリモートワーク中、機密情報が表示された画面をスマートフォンで撮影し、非公式な経路で外部へデータを送信していたという。社外で撮影が行われた可能性も指摘されている。

検察はすでに、東京エレクトロンの元社員である陳力銘容疑者と、TSMCのエンジニアである吳秉駿容疑者、戈一平容疑者の3人を起訴している。今回の法人起訴については、東京エレクトロンが社員による情報流出を防ぐための管理・監督義務を十分に果たしていなかったと判断した。社内には一般的な規定はあったものの、実効性のある具体的な防止措置に欠けていたと認定した。

検察は、東京エレクトロンに対し計1億2000万台湾ドル(約6億円)の罰金を求刑している。知的財産検察分署は声明で「国家の重要技術と台湾の経済安全を守るため、産業界と協力して国家の競争力を維持していく」としている。

東京エレクトロンは、台湾当局からの発表の詳細を確認中とコメントした。

なお、東京エレクトロンの株価は3日の東京市場で、一時前日比約4.2%高の3万2620円を付けた。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。
鍾元