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中国発の偽装アカウントが次々露呈  サイバー軍の実態も浮き彫りに

2025/11/28
更新: 2025/11/28

イーロン・マスク氏のXプラットフォームは最近、新たなユーザー位置情報機能を導入した。目的は、透明性を高め、国境を越えたフェイクニュースの拡散を防ぐことにある。ところがこの機能により「アメリカ在住」と偽っていた多数のアカウントが、実際には中国本土から発信されていたことが明らかになった。多くのネットユーザーは、この機能が導入されて以降、中共のサイバー軍(「五毛党」など)が突然姿を消したようだと感じており、さらに内部事情に詳しい人物の中には「一部のサイバー軍は実際には中国の刑務所の囚人だ」と指摘する声もある。​

Xが導入した新機能により、ユーザーのIP所在地とアカウント作成時期を確認できるようになった。これによって、長年にわたり「アメリカ」「ヨーロッパ」「オーストラリア」などに住んでいると偽装していた多数のアカウントの正体が露呈し、その「所在地」ラベルが中国国内を示しているケースが相次いで判明した。​

こうした「海外在住」を装った中国の偽アカウントは、長期間にわたって「海外在住の中国人」の視点を装い、コメントを発信してきた。特に敏感な政治的話題になると世論を誘導しようとし、その発言はしばしば攻撃的な内容を伴っていた。​

元北京の弁護士・梁少華氏は、次のように話す。
「表示されたIPは、実際には中国共産党(中共)の組織内部、場合によってはその刑務所の中であることもある。それが人々の疑念を裏づけた。つまり中共は国内世論をコントロールしているだけでなく、XやYouTubeなどの海外プラットフォーム、さらには各種外国のSNSにまでネットワークを張り巡らせ、影響力を及ぼしているということだ。もはや『水軍』と呼べるレベルではなく、一部は完全な『サイバー軍』として組織化され、そうした手段で国外の世論に影響を与え、ときにはそれを操作しているのだ」​

遼寧省出身の陳情者・劉さんは、大紀元の取材に対し、中共の刑務所におけるサイバー軍活動の実態を明らかにした。劉さんは遼寧東陵刑務所に服役中、他の囚人たちが匿名の形で海外のSNSに投稿し、中共に有利な内容を広めたり、アメリカを中傷したりするよう強制されていたと証言している。​

分析によると、今回のXの位置情報機能によって、中共が海外に浸透する手口の隠密性と組織性、そしてその世界規模での広がりが浮き彫りになった。同時に、中共による海外への組織的工作の深刻さも改めて明らかになった。​

評論家・唐靖遠氏は、次のように述べている。
「中共のこの『大規模なプロパガンダ』の動きを見ると、世論を作り出すためにどれほど莫大な資金を投入しているかが分かる。まさに巨額のコストを惜しまず、しかも非常に綿密に仕組まれている。中国語圏だけでなく英語圏にも、いわゆる『インフルエンサー』や『オピニオンリーダー』と呼ばれる多くの協力者が存在する。中共は高学歴の人材を大量に雇い入れ、多数の英語アカウントを開設している。表向きにはわずかに中共を批判する姿勢を取りながら、実際には擁護する『少し叩いて大きく助ける』といった手法で中共の代弁を行い、国際社会の認識を誤導しているのだ」​

Xが新しい位置情報機能を開始し、偽装ユーザーの実態が露呈した後、一部のアカウントは「国際ビジネスをしているためIPアドレスが異なる」と弁解した。一方で、何の説明もないまま姿を消したアカウントも少なくなかった。​

さらに注目されるのは、中共外交部報道官・毛寧のXアカウントの所在地表示が「アメリカ」となっており、システム上では「VPNまたはプロキシ接続を使用している可能性がある」と表示されている点だ。これは、中共自身がネット規制において二重基準を取っていることを浮き彫りにするものだと受け止められている。​

唐靖遠氏はさらに、次のようにも指摘する。
「今回の暴露は、海外の『五毛サイバー軍』と『プロパガンダアカウント』との間に明確な階層構造が存在し、しかも互いに連携して活動していることも反映している。中国本土にいる者の中でも、特権を持ち、より高い階層に属するプロパガンダ系のアカウントは、VPNを使用せずに中国本土から直接、海外のウェブサイトにアクセスできるのだ」