アメリカのへグセス国防長官は、トランプ政権がベネズエラのマドゥロ大統領と関係のある麻薬密売組織を外国テロ組織に指定することを決定したと述べ、これにより国防総省がマドゥロ関連組織を追跡するための一連の新たな選択肢がもたらされるとした。
ルビオ国務長官は16日、アメリカが24日に「太陽のカルテル(Cartel de los Soles)」を外国テロ組織(FTO)に指定すると発表し、マドゥロ大統領およびその側近が同組織の指導者であると非難した。これは、米国内にいる者が同組織に物質的支援を提供することが犯罪となることを意味する。
へグセス氏は「One America News」の取材に対し、この指定は「アメリカに多くの新しい選択肢をもたらした」と述べた。
また彼は、マドゥロ大統領が「ベネズエラで合法的に選挙によって選ばれた指導者ではない」とし、改めて大統領が麻薬取引に関与していると非難した。マドゥロ大統領はこれらの指摘を否定している。
アメリカ政府関係者は「太陽のカルテル」が、すでに外国テロ組織に指定されている「トレン・デ・アラグア(Tren de Aragua)」や「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」などとともに、西半球全体で発生しているテロ的暴力に責任を負っていると指摘している。これらの組織は、アメリカやヨーロッパへの麻薬密輸にも関与している。
「太陽のカルテル」を外国テロ組織に指定することが、アメリカがベネズエラ国内のマドゥロ大統領の資産やインフラを攻撃できることを意味するのかと問われた際、トランプ大統領は以前メディアに対し「それを可能にするが、そうすると我々が言っているわけではない」と述べた。
トランプ氏はまた、マドゥロ大統領との対話に対しては開かれた姿勢を示したが、米軍をベネズエラに派遣する可能性を排除することは拒んだ。
米軍は過去2か月にわたり、ベネズエラ周辺海域で麻薬密輸の疑いがある船舶に対し致命的な打撃を加えてきた。軍事的集結の一環として、世界最大の空母「ジェラルド・R・フォード」が同地域に到着した。フォード級空母はアメリカで最も先進的な空母であり、海軍の「最も殺傷力の高い作戦プラットフォーム」と称されている。空母のほかにも、アメリカは同地域に約1万5千名の兵士と十数隻の軍艦を集結させている。また、プエルトリコにはF-35戦闘機10機が配備されている。
今年8月、アメリカはマドゥロの逮捕に対する懸賞金を倍増させ、5千万ドルとした。
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