ドナルド・トランプ大統領は11月19日、死亡した性犯罪者ジェフリー・エプスタインに関するファイルを公開する法案に署名し、法律とした。
この法律は「エプスタインファイル透明化法」と呼ばれ、下院議員ロ・カンナ(カリフォルニア州・民主党)とトーマス・マッシー(ケンタッキー州・共和党)が共同で提出したものである。内容は、司法省に対して、エプスタインに関連する未機密の記録、文書、通信、捜査資料のすべてを、法律施行後30日以内に検索・ダウンロード可能な形で公開するよう命じるものだ。
特に重要な点は、司法省が「政治的理由」や「関係者の評判を守るため」といった理由で記録を隠したり、公開を遅らせたり、一部を削除(墨塗り)したりすることを明確に禁じていることである。
ただし、以下の場合は例外的に非公開・削除が認められている。
- 被害者の身元が特定される情報
- 児童性的虐待に関する資料
- 現在進行中の連邦捜査や起訴に支障をきたす恐れがあるもの
- 死亡場面や身体的虐待、負傷の画像
削除を行う場合には、必ずその理由を文書で説明し、連邦官報に掲載するとともに議会に報告しなければならない。
さらに法律では、公開後15日以内に司法長官が上下両院の司法委員会に対して以下の報告書を提出することも義務づけている。
- 公開した記録と非公開にした記録のカテゴリー一覧
- 削除した部分の概要とその法的根拠
- 公開資料に名前が出てくる政府関係者や政界要人(PEPs:Politically Exposed Persons)のリスト(一切の削除や墨塗りを認めず、フルネームでそのまま公開しなければならない)
投票に先立ち、トランプ大統領は共和党議員に対しこの法案への賛成を呼びかけた。
「共和党下院議員はエプスタインファイルの公開に賛成票を投じるべきだ。我々には隠すものは何もない。この問題は、極左の過激派が民主党の失態から目をそらすためにでっち上げたデマだ。最近の『政府閉鎖』問題でも我々が勝利したばかりではないか」(Truth Socialへの投稿より)
大統領は以前から、この法案が自分の机に届けば署名すると明言していた。
11月17日の大統領執務室での発言では、「我々共和党はエプスタインとは何の関係もない。関係があるのは民主党だ。彼の友人たちは全員民主党だった」と主張している。
パム・ボンディ司法長官は、追加ファイルの公開について「被害者を守りつつ、法律を厳格に遵守し、最大限の透明性を確保する」との声明を出している。
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