湖南省で役所の怠慢を告発した市民の自宅に、公安が深夜に押しかけ脅迫する事件が起きた。中国メディアが報じた。
8月18日朝、永州市寧遠県の男性は家族とともに地元の住民サービスセンターを訪れたが、始業時間を過ぎても職員は誰一人出勤していなかった。その様子を撮影しSNSに投稿すると、「うちの地元も同じだ」と共鳴が広がり、各地の役所が空席同然であったり、長年出勤しない職員の存在など「政府怠慢」への批判が一気に噴出した。

その2日後の20日深夜、公安4人が彼の自宅を訪れ脅迫を行った。当人は不在だったが、両親は強い恐怖を覚え農薬を飲んで自殺を図ろうとした。幸い本人が駆けつけ直前で止めたため、両親の命は救われた。

本人がいない状況で年老いた両親を「狙う」という、当局による露骨な報復に、ネット上では「出勤は怠けても嫌がらせには積極的」「問題を解決せず、問題提起する人を潰すのが常態」といった皮肉と批判が殺到した。
中国共産党(中共)の「為人民服務(人民に奉仕する)」は最も有名な政治スローガンとして知られる。しかし、そんな「人民のための政府」と嘯く(うそぶく・豪語する)政権が、実際には人民を震え上がらせている。この国では、このスローガンほど空虚な言葉はない。
(無人の役所、告発市民宅に押しかけた公安、告発市民の両親が自殺を図った現場)
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