政府は、使用済み太陽光パネルのリサイクル義務化を断念する方針を固めた。背景には、リサイクル費用の負担主体を巡る調整が難航し、制度設計が進まなかったことがある。産経新聞などが報じた。
一部の太陽光パネルには鉛、カドミウム、ヒ素、セレンなどの有害物質が含まれており、適切に処理を行わなければ土壌や水質の汚染、生態系への悪影響、焼却による大気汚染などの環境リスクが顕在化する。
2030年代後半には年間50~80万トンに及ぶ大量廃棄が発生する可能性があり、最終処分場の逼迫や不法投棄の増加も強く懸念される。
事業用パネルの場合、廃棄費用は1kWあたり約1万1900円、10kWの設備なら約12万円となる。住宅用でも撤去・運搬・処分で計15~20万円程度かかる。
民間企業や国際的な取り組みにより、太陽光パネルのリサイクルは進展している。また一部事業用については売電収入から廃棄積立金を徴収しているが、制度を徹底しなければ、今後膨大な処理費用を公的資金(税金)で補填せざるを得ない可能性も懸念される。
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