22日、アメリカのトランプ大統領は、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が8か月後に退任し、来年5月の任期満了を待たずに職を離れると述べた。
同日、ホワイトハウスでフィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領と会談した際、トランプ氏は記者団に対して、パウエル議長が金利を高いまま維持しているが、8か月後には辞めると語った。
「私は彼のやり方は非常に悪いと思う。しかし、彼は間もなく辞める。8か月後にはいなくなる」とトランプ氏は述べた。
パウエル議長のFRB議長としての任期は、2026年5月15日までであり、本人は繰り返し任期途中で辞任する考えはないと表明していた。8か月後というのは2026年3月下旬に相当するが、なぜトランプ氏がこの時期を示したのかは不明である。
トランプ氏は、ここ数か月、パウエル議長が利下げに踏み切らない姿勢を繰り返し批判してきた。解任に言及する一方、「実際に解任することは現実的ではない」とも述べた。
また、トランプ氏は「政策金利は現状より3ポイント低くあるべきだ」と主張した。
連邦公開市場委員会(FOMC)は来週会合を予定しており、市場は政策金利が現在の4.25~4.50%の範囲で据え置かれるとほぼ見ていて、FRBの政策担当者らは、トランプ氏の新たな関税措置がインフレや雇用に及ぼす影響を見極めたいという考えである。
トランプ氏は「アメリカ経済はいま非常に好調で勢いがある。記録を塗り替えている」と述べた上で、「だが、人々は家を買うことができない」とし、その理由をパウエル氏が「金利を高く維持し続けている」からだと非難した。「おそらく政治的な理由によるのだろう」とも指摘した。
また、財務長官スコット・ベッセント米財務長官も同日の会談に同席した。ベッセント長官はパウエル議長個人への批判ではなく、FRBの金融政策以外の運営に、矛先を向けて大規模な内部調査を求めた。最近、ホワイトハウスの高官らは、ワシントンD.C.FRB本部の25億ドル規模の改修計画を「贅沢すぎる」「当初見積もりの19億ドルを大きく上回る」として批判した。
ベッセント長官は「FRBは本来の任務を大幅に拡大し、それが巨額支出の温床となった」とし、「このような巨費を投じて建物を改修する必要はあるのかどうか、疑問だ」と述べた。「FRBは本来の役割を守るべきだ」と指摘した。
これに対してFRBは、建物に深刻な安全性や効率性の問題があり、改修は必要だと反論した。
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