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大谷翔平 死球騒動で見せた冷静な対応 米識者「彼はフェノミナ」と絶賛

2025/06/21
更新: 2025/06/21

ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が6月19日(日本時間20日)、本拠地ドジャースタジアムで行われたサンディエゴ・パドレス戦の9回裏に、相手守護神ロベルト・スアレス投手から右肩付近にデッドボールを受けた。この一打席は、両軍の緊張が高まる中での出来事だった。

9回表にはパドレスの主砲フェルナンド・タティスJr.がドジャースのジャック・リトル投手から死球を受けていた。これをきっかけに両軍ベンチが飛び出し、両監督が退場処分となるなど、場内は騒然とした雰囲気に包まれていた。このシリーズではすでに両軍合わせて7つの死球が記録されており、両チームの遺恨が色濃く表れていた。

大谷選手が受けたデッドボールは、3ボールからの100マイル(約161キロ)の速球で、右肩付近を直撃した。観客席からは大きなブーイングが起こり、再び乱闘の気配が漂った。しかし、大谷選手はベンチに向かって「来なくて大丈夫」と手を挙げて味方を制止し、冷静に一塁へ歩を進めた。さらに、大谷選手はパドレスの一塁手やパドレスベンチの選手たちにも自らひとりで歩み寄り、笑顔で会話を交わし、事態の沈静化に努めた。

この大谷選手の対応について、現地解説者やOBからは「大人の対応」「紳士的」「あの場面であの冷静さはすごい」といった称賛の声が相次いだ。NHKの元ドジャース投手・斎藤隆氏も「当てられた選手の表情じゃない」と驚きをもって評価している。また、米メディアやSNS上でも「ショウヘイは本当に特別な選手」「日本の文化から学べることがある」と絶賛する声が広がった。

一方、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「明らかに意図的な死球だった」と強く非難し、スアレス投手は警告試合だったため即退場となった。スアレス投手本人は「故意ではなかった」と否定しているが、MLB機構はスアレス投手に3試合の出場停止と罰金処分を科している。

オオタニはフェノミナ

今回の一連の騒動は、両軍のライバル意識と報復の連鎖が背景にあるとされる。MLBには「自軍の主力選手が死球を受けた場合、相手の中心選手にぶつけ返す」という不文律が存在するが、米解説者からは「報復するにしても、上半身や顔付近を狙うのは絶対にやってはいけないこと」との批判も出ている。

MLB公式番組「MLB NOW」では識者が詳細に議論を交わした。その中で、アメリカの著名なスポーツジャーナリスト・コラムニストのジョン・ヘイマン氏は、「オオタニに当てるのは絶対にダメだ」と強い口調で語り、今回の報復死球が野球界全体にとっていかに許されない行為であるかを強調した。

彼は「オオタニは次元を超えた存在だ。当てるなんてことは許されないよ。彼が出る試合は最初の一球から最後までワクワクが続くんだ。ロサンゼルスの人間が最後まで残って試合を見てるってことが何よりも凄いことなんだ。だから野球界のためにも、彼に意図的にぶつけるなんてことはあっちゃいけない」と述べた。

さらにヘイマン氏は、「彼はフェノミナ(phenomenon=現象、規格外の存在)だ」とも評し、大谷選手が持つ唯一無二の才能と、野球界に与える影響力の大きさを称賛した。

スポーツ関連等担当。